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石ころ

カナの婚礼

婚礼の世話役はその葡萄酒を一口飲んで、わざわざ花婿を呼んで文句を言っている。
「こんな最上の葡萄酒があるなら、初めから出せよ!」って思ったんだと思う。
それがあまりにも類い希な味わいであり、先のものとは比べものにならないくらいに良い酒だったから。

その奇跡は、良いぶどう酒のように、マリヤの中で熟成されてきた信仰が、時を経て言葉になり起こったのだった。
イエスを我が子として育ててきた何十年の普通の日々、平凡な日常の中に決して埋没することのない信仰が、マリヤにあってのこと。
イエスの厳しい言葉にも、ひるむことのないものは近くに居たという事実への信頼。


葡萄酒が切れて婚礼の宴会が台無しになる緊急時に、黙々と水を汲むという重労働を果たさせたものは何だったのだろう。
手伝いの人々に命じ、600リットルもの水を汲む働きを行させる、マリヤの言葉の力はどこから出て来たのかと思う。

一人でも人間的な言葉を口にする者がいたら、この奇跡は起こらなかった。だって、その一言は手を止めさせてしまうに十分だろうから・・。
盲目的とも思える従順と、黙々と汲み続ける人の素直さの中で、主の初めての働きは完成した。

 
本当にそんなに大量の葡萄酒が必要だったのだろうか・・。
でも、それが主の準備してくださる量であり、最高の葡萄酒が主のくださるものの質なのだと思う。
側に居る人々をみんな喜ばせ、満たす祝福、それはまごう事なき本物の味わい。
きっと手伝いの人々もこの最高の葡萄酒を飲んで、大いに盛り上がったのだろうなぁ・・どんな思いで水を汲んでいたとか・・興奮して話し合ったのだろう・・。

すべてのキリスト者の花婿なるこのお方を、私たちもマリヤのように信仰によって、大胆に世に紹介して行く生き方でありますように。

 
イエスはこのことを最初のしるしとしてガリラヤのカナで行い。ご自分の栄光を現された。それで、弟子たちはイエスを信じた。(ヨハネ2:5、11)

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