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石ころ

ぴかぴかのジャガイモ

 私が朝食を取るころには、いつもの事ながら主人はとっくに朝食を済ませている。
息子が昨夜かなり疲れている様子だったので、ちょっとピザトーストでも作ってやろうと5時に起きて、彼が出かけてから寝ようとしたのだけれど、ウトウト・・としただけで目が覚めてしまった。

毎朝、息子の朝食を作っているわけではない、最近はほどんど放りっぱなし。さっさと自分で食べて出かけているし、「早くしたほうが良いよ」などと余計な事を言って苛立たせるだけなので、仮に目覚めていても部屋から出て行かないことにしている。

 私の食事が終わった頃に、主人はお祈りをしようとみことばのカレンダーを持ってきてくれた。一緒に祈って今日のスケジュールについて話す。「今日はジャガイモを掘ってしまおうか。」「そうだね、来週は雨が続くと言っていたし、掘ってみよう。」と決まった。
主人が先に出かけて、私は詩編を読んでから、帽子、軍手、長袖のシャツと準備を整えてお茶を持って出かける。家から畑が近いという事は最大のメリット。

 私が、カンカン照りの太陽の下で作業をするなんて収穫だけ。鍬なんて振り上げたら何処に落ちるか分からないから、私は小さなスコップで・・と幼稚園児並でないと無理。でもこれは何時もワクワクする作業。そっとジャガイモの根本の土を取り除くと、中から白い芋が姿を現す。今年は耕作面積は少なかったけれど、掘るタイミングは最高だった。傷つけないように丁寧に掘って行く。もう少し植えて置いたら良かった。ちょっと惜しいことをした・・なんて今頃欲が出る。

 「植えるのに時があり、植えた物を引き抜くのに時がある。」心の中で繰り返すみことば。
今年はお天気続きだったので、土はサラサラとして堀った芋の肌が光っている。タイミングというものがどんなに大切か・・痛んでいる芋もわずかだった。ちょっと遅れると肌が汚くなって大きい芋から腐ってゆく。ちょっと早すぎると、小さい芋が多くて美味しくないし勿体ない。雨が続いてしまうと掘るタイミングを失って、腐らせてしまう事になる。農作業は神様の恵みがとても分かり易い。主と共に働くのだと・・。

大した時間もかからずに芋掘りは終わって、キュウリや茄子を見回る。でも、キュウリも茄子もたった3株、良くできればこれでも食べきれないのだけれど、キュウリは病害虫に襲われて、発育不良でまだ2本取っただけ。茄子は良く育っているけれど取るところまでは行かない。糠床を作って待っているのだけれどなぁ・・。

 私はさっさと家に戻り、長男に発送するための準備をする。適当な箱と宛名を書いて、ちょっとひとこと「じいちゃんのジャガイモだよ。カレーでも炊いてね。」と手紙を入れて、先日買っておいた孫達のTシャツなどを準備して、主人が昼に持って帰ったジャガイモからきれいなものを選んでさっと洗って干し、玉ねぎはちょっと失敗で小さいけれど、一緒に箱に詰めて宅急便に持って行く。

 すべてが終わって、ふたりでお茶をしながら「驚くね、今朝まで畑にいたジャガイモが、明日の晩にはさくらのお腹の中かも・・」なんて笑い合う。
主人は氷金時を突きながら、つくづくと「感謝やなぁ。こんなふうに好きなことをして過ごせるというのは・・」という。私も「ほんまに、穏やかで幸せな老後やなぁ。もう他には何もいらんなぁ。」と相づちを打つ。イエスさまが居てくださるからと、私たちは心から喜んでいる。脳天気に満足している。

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