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石ころ

「おかあさ~ん」


 オリンピックも上の空で、戦争のことばかり考えている。私は直接空襲を経験してはいないし、直接戦争を知らない。けれども、私の父も母も穏やかな家庭も財産も間接的に戦争で奪われ、私は結婚をして自分の家庭を持つまで恐ろしい孤独を味わって生きてきた。

 昨夜はBSで韓国人の戦犯の方のドキュメンタリーを見ていて、その方が
「兵士達が戦場で食べ物もなく野垂れ死にしたことが、今日の繁栄の原因だとはどうしても思えない。それは、事実に目を向けようという勇気がない、敗退を転進と言い、敗戦を終戦と曖昧にしてきた言葉と同じである。」
と語られていた。その言葉は私の心の中で溜まっていた思いと同じだった。

 あまりに語られない言葉がある。すべてが軍部の暴走だけではないように思う。なぜ、国民は戦争を熱狂して受け入れてしまったのだろう。なぜそんなことが起こったのだろう。戦争はある時、忍耐から解かれて胸のスッとする痛快な気分の良いことともなるのではないか。そんな人の心から戦争は広がってゆくように思えてそのことが恐ろしい。

 死んでゆく他なかった本当に多くの方々の命に、少しでも報いることができるのは、おざなりの言葉ではなく、ありのままにその時の誤りを明るみに出してゆき、二度と同じ事が繰り返されないために、すべての国民に教え、語り伝え続けることだと思う。
兵士達は「おかあさ~ん」と叫んで死んでいったという。無念だっただろう。胸がいっぱいになった。

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