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石ころ

アケビ

 待ちに待っていた、久しぶりの晴天。急いで山のような洗濯物を干して、家を一歩出ると、すっきりと青い空が広がりすい込まれて行くよう・・・まるで空に向かって歩いていくような感覚。嬉しいなあ!本当にとても嬉しい!

 まだ湿気を含んだ道路に、桜の木の影がその姿を梢まで映していて、その脇には薄紫の野菊が数本控えめに咲いている。ススキは細かな赤っぽい花を付け、色あせた彼岸花たちからバトンタッチをするように伸びて来た。栗は割れてコロコロと実をこぼし、トゲトゲのイガも道に転がっている。柿ももう色づいていた。

「あっ、発見!」茂みからぽっかり割れたアケビが二つぶら下がっている。黒い種を包む白い実を惜しげもなくさらけ出して、小さな虫に喰わせている。小鳥もそのうちやって来て、甘い実を好きなだけついばむのだろう。実を開かずに自分を守るムベじゃなく、やっぱりアケビでありたいなあ・・・。

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