「居るかぁ」勢い込んで飛び込んで来た松茸 悪戯っぽく鼻先に差し出し松茸二本転がして何も言わせず「また来るわ」 遠い昔は年ごと届き新聞紙にゴロゴロ包まれて夕餉の膳に香り立ちサンマなど添え「秋だね」と 今夜は独り松茸ご飯香り噛みしめ贅沢ご飯 松茸を我に与うる不思議さよ地の祝福の秋零れ来る