石ころ

抗がん剤投与11日目





 長男より電話あり・・、主人の介護など気がかりなことを話しただけでなんとなくホッとする。
「大丈夫か」と言われて「私は大丈夫。別に何もしていないから・・ただ、初めての経験だから、どうして良いのかわからないときがある。」
「それは、誰でも初めての経験やろう。」と言われ笑ってしまった。確かに・・誰でも初めははじめての事だね。

次男がブログの不始末を修理してくれた。さくらブログを安易に終了してしまって、そこから取り込んでいたgooブログの写真が消えて居たことに気付いた時、後悔でとても悲しくなったから・・ホッ。ありがとう。

実はさくらブログを終了するとき彼と口げんかをしていた・・、それはちょっとしたコミュニケーションの行き違いだったけれど・・。
私が意志を押し通した結果、時間を潰させてしまうことになって申し訳ないことをしたと思っている。私は修復できることも知らなかったのだけれど・・。強がっていても、みんなに助けられているのだ・・。

 主人のために何かしているように思うときもあるけれど、じつは何も出来ない。主人は自分で何でも出来るし、ただ食事を作ることだけは私のすることだけれど、これがなかなか思うようには行かないから・・。

抗がん剤の副作用で味覚異常に悩んでいる主人に、満足のできるようなものを作ることはできない。美味しいものを作ることができないのだ。
好きだった甘い物は気持ち悪いというほど受け付けなくなった。異常に味に敏感であったり、飲み物すべて水さえも不味いという・・。

美味しそうだと言って箸を付けても、一口で顔をしかめて終わりになる。悲しそうに「なんで・・」って言いつつも、申し訳なさそうにするから、
「仕様がないよ。薬の副作用なんだから。一口でも食べられて良かったよ。」と、惜しむことなく捨てることにしている。置いておくと主人の負担となり、私の未練になるから・・、この魚高かったのに・・なんてね。

 しかし今夜は、サンマの焼きたてに目の前でジュンと大根おろしを添えたら飛びついて、サンマ半身をほとんど食べた。ヤッタね。
わざわざ買いに行った甲斐があったというものだ。
まあ、その食事のタイミングも少しじらして用意したのだけれど・・。知恵をくださいと祈りつつ祈りつつしたこと。

痛みは全くないのだから、体のだるいことや少々の不快感は我慢してよ・・と思ってしまうこともある。
しかし、私には何もわかってはいないのだろう・・。
体調は猫の目のようにかわる。

今日お向かいのご主人とちょっと立ち話していた。彼は胃癌の手術をしておられ、「その痛みは経験した者でないとわからん」と言われたそうだ。
経験しなくて済んでいることに心から主に感謝をした。一時ちょっと痛みがあったけれど、それはまるで「すぐに治療をしなさい。」と時を急かせるしるしのようで終わったから・・。

先のことは何もわからないけれど、イエス様と共に居ることという確信があるから・・。主が背負って運んでくださっているのだから、これほど確かなことはない。


あなたがたのあった試練はみな人の知らないようなものではありません。神は真実な方ですから、あなたがたを耐えることのできないような試練に会わせるようなことはなさいません。むしろ、耐えることのできるように、試練とともに、脱出の道も備えてくださいます。(Ⅰコリント10:13)

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