テレビを見ていて独り言を言うのも一人暮らしの老人には呆け防止らしいけれど、思わず怒りや苛立ちの言葉が出る事もある。
そんな時「怒りな(怒るのは止めなさい)」となだめる主人の声が聞こえる。天国に行ってもう4年になるのに・・以前と同じように聞こえる。
一緒に暮らしていた時から、ちょっと間の抜けた調子で「怒りな」と言われると、気が抜けたしまって「そうだね。まあいいっか・・」と心がすぐに切り替わった。夫婦ってそういうものなんだろう。だから今も夫婦をしているのだろうと思う。
4年前の今日は、主人の愛車を手放す話しが纏まった日。いつも自動車の面倒をみてくれていた人が、メロンをもって夫婦で見舞ってくれた。主人は彼を信頼していたので「全部任しとく」と言った。彼は主人の枕元でいっぱい笑わせてくれた・・。
車で帰って来る息子の助けも度々必要になるだろうと、駐車場を開けて置きたくて相談した時、すぐに処分した方がよいと勧めてくれたのだった。
それはまったくその通りだった。もし、思い出いっぱいの車だけが残されたら、どれほど悲しい思いをしたことか知れず、手放す機会を無くしただろうから・・。
事ある毎に日記を取り出しては、その日の事をまざまざと思い返す。まあ、これが出来るようになったのは、安心して現実を受け入れるだけの時間が経ったということだけれど・・。
主人は召される日まで、普通にコミュニケーションが取れていた。そのことに今も平安を覚える。何度も「ありがとう。ありがとう。もうええ。もうええ。」と言ってくれたことに・・。
私も、最後までこんなに感謝を残せるのだろうか・・自信はない。主人は我慢強かったけれど、私は痛みや苦痛には弱いから・・。
「怒りな」穏やかに何気なくなだめてくれた言葉を今も聞いている・・。私は自分に「偉そうに怒りな」と付け加えるけれど、主人はそんな言葉を付け加えたことはなかった・・もう4年。
主が私の手を 取ってくださいます
どうして怖がったり 逃げたりするでしょう
優しい主の手に すべてを任せて
旅ができるとは なんたる恵みでしょう
誰もがたどり着く 大川も平気です
主がついておれば わけなく越えましょう
優しい主の手に すべてを任せて
旅ができるとは なんたる恵みでしょう (聖歌651)
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