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石ころ

青鷺

 忘れられた軒端の風鈴が、ひんやりとした秋風にチリリンと鳴るのはさびしい。
1年中同じ道を歩くのだけど、今は鳥の音もなく、ただ遠慮がちな虫の声がリリリリ・・とするばかりで、秋の野山は静かなのだと気づいた。

すでに桜の木はほとんどの葉を落とし、梢まで現れて冬の景色を思わせる。田の面はすっかり刈り入れが終わり、黒い土に切り株が並んでいるばかり・・・そんなあぜ道に、つくねんと青鷺が居る。

 ご近所のお年寄りが青鷺にいつもパンを与えていた。青鷺は受け取ったパンをくわえると真っ直ぐに川へ飛んでゆき、パンに集まる魚を取って喰っているという話を聞いた。
なるほど、それはうなずける。青白い天才のような姿で、何かをじっと思いめぐらし、いかにも計画や魂胆を秘めているかのような鳥だから。

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