「いっしょに恵方を向いて巻き寿司を食べましょう。」とお誘いを頂いていたけれど、電話で話しの中の急な申し出に戸惑ってしまって・・「その時は、あらためてお電話させていただきます。」と言ってしまった。
私の気持ちを察してくださったのかそれっきりになっていた。
私は他人と食事をすることはあまり好きではない。主人もそうだった。接待を受けてもほとんど無碍に断ってしまう人だった。たとえ相手が目上の人であろうともである。これは欠点だけれど夫婦はほんと似た者同士。
キリスト者にとっては節分であろうと仏滅であろうと、一年365日、東西南北、上下左右すべては恵方であり恵みに満ちているのである。
ただ、ご馳走になってそんなことを言いたくはなかったのである。
午後から陽射しもあったので、必要なものを買うためにスーパーまで単車で走った。陽射しはあっても風はとても冷たかったけれど、膝のカバーと以前嫁さんに買って貰ったダウンコートが風から守ってくれた。
河原の枯れすすきと青くキラリと光る川面を横目に国道を走る。この道を走ることは少々寒くても好きなのだ。ちょっと怖くても好きなのだ。
スーパーはとても混んでいた。それもイワシばかり、巻き寿司ばかり・・その広い売り場が前に進めないほどに混んでいた。まったく唖然として一度はその場を逃げた。
しかし・・どうにも不思議である。この山のような巻き寿司をいったいどうやって製造しているのだろう・・。
「食べてみてもいいな・・」と思っていたけれど、どうも納得いかないので止めた。
その代わり美味しそうなマグロがあったので買って帰った。夕食はちょっとごちそうの粕汁とマグロのお刺身とブロッコリーの胡麻和え。
粕汁が一番美味しかった。以前いっしょに聖書を読んだ方が下さった酒粕が上等だからなのだ。
その時金柑も下さったのでストーブでコトコト煮た甘煮はデザート。私が欲しいと言ったばかりに一粒一粒棘ある木から摘んでくださったのだ。ほろ苦くて甘い金柑が口に溶けてゆく・・感謝の染みる静かな節分の夜だった。
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