石ころ

奴隷のくびき


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 主人は現在とても元気だけれど、5ミリの癌のその後を診るために、CT造影検査を受けに医大に行って来た。
命は主に依って守られる事をこれまでの経緯によって経験しているのだから、私だったら行かない。
しかし、今日は主人が選択する事である。だから、彼の主治医が幾度となく確認していたと言うし、忘れっぽい主人のためにカレンダーに書き込んでおいた。

私は主人に、「イエス様が癒してくださったことが、繰り返しの検査の結果からもわかっているのだから、もう病人じゃないでしょ。」なんて何度か話していたけれど、彼は医師の言われるままに点滴など治療?に通っている。
彼の主治医は「病気を甘く見るな。」と言われた。主人には脅しになるだろう・・。

「命を守るのは誰か」それをはっきりさせておかないと、生きものとして常に揺れ動く体であれば、時に不調になる事もあるから、イエス様に何度癒されても、結局恐れによって支配され続けることになってしまう。


 その日私は、前夜ほとんど眠れずに朝を迎え、左胸に刺すような痛みを感じた。しばらくすると良くなるだろうと耐えていたが、ちょっと落ち着いたと思っても痛みは繰り返した。
先日から、今まであまり感じたことのない肩こりに悩んでいたのだけれど、特に昨夜は左の背から肩の痛みがあって眠れなかった。
これでは治りそうもないとニトロを用いる事にした。


 実は数ヶ月前、夜中に胸の痛みに襲われたことで、近くの医院(たまに私が口内炎のお薬をもらったり、風邪薬をもらうていどだけれど・・)に行き、
「昨夜、とても胸が痛くなりました。でも、夢か、現か分からないのです。朝目覚めたときには、もう何ともなかったものですから・・。こんなあいまいなことを話せるのは、此処でだけですけど・・」なんて・・。

先生は「一度検査を受けますか、病院を紹介しますよ。」と言われたのだけれど、「いえ、それは結構です。」なんて断ったのだった。
私は痛いのは駄目だけれど、もう、この年で自分から選んで検査漬け、薬漬けになるつもりもない。先生と笑って何かとお話しをして「では、お守り代わりに」ということで頂いてきたお薬だった。


 ニトロで痛みは落ち着いたけれど、肩の違和感は取れず「ああ、これは困ったなぁ」と、一応自分の下着などの入院の準備をして置く事にした。
これで何かあっても、主人に「持って来て」と頼む事ば出来るから・・。どれほど嫌な事であっても、いざそうなった時は誰かに任せるほか無い。自分の死に方を決める事は出来などできないのだから・・。

主人には悟られないように・・断続的に、「イエス様。助けて・・」とそっとつぶやきつつ出掛ける準備をした。
お薬を頂いた時、「痛んだときに家族を呼びましたか」と先生に訊かれた。私は「なぜ?」って思った。
主人が医者なら呼ぶけれど・・戸惑ってうろうろするだけなんだから呼んでも仕方がないのだ。でも、このような考え方はなにか違うのかな・・。


 医大の予約は午後で昼食を済ませて出かけるときは雨催いだった。冷たい雨の中を歩くのは辛いなぁ・・なんて思っていたら、途中から暖かな日が車窓に差し込んできて、その柔らかな陽射しに、硬くなった体も心もほぐれて行くようだった。
それでも、その日は脱力感で黙って揺られているしかなかったけれど・・。

検査はわずかな時間で終わった。
私は体調が悪かった事などを主人に話した。不機嫌でない事知って欲しいから・・。主人は驚いて「悪かったな」と言った。

家に帰り着いて、夕食を済ませ、お風呂から出てきた主人がぽつりと言った。
「いつまでも医者にすがりつかないで、死ぬ準備もせんとあかんな。」
私が「イエス様のところに行くんだよね」と確認をすると、「イエス様のところに行くよ!」と即座に帰ってきた。その言葉がとても嬉しかった。

死の恐れによって医療にすがり付いているように感じていたから・・。人は死ぬ。そのことは避けられない。
そのことを受け入れてイエス様による希望を持って、今日の元気を一日ずつ喜んで生きて行きたいのだ。
私たちの国籍は天にある。そこに帰るための旅路を歩んでいるのである。この世にしがみついていては、逆にこの世を楽しむ事もできないのだから。


 今日はもう元気で背中の痛みもなく口内炎も治った。ただ、寒いなぁ~。買い物にはバイクで行く事を止めて、主人の車で連れて行って貰った。
午後にまた畑に出かけようとする主人に「こんなに寒いに行かなくてもいいでしょ」なんて引き留めた。
空は時雨れてどんより冬曇り・・私たちは冬ごもり。


わたしはあなたがたを、奴隷の身分から救い出すためにエジプトの地から連れ出したあなたがたの神、主である。わたしはあなたがたのくびきの横木を打ち砕き、あなたがたをまっすぐに立たせて歩かせた。(レビ記26:13)

キリストは、自由を得させるために、私たちを解放してくださいました。ですから、あなたがたは、しっかり立って、またと奴隷のくびきを負わせられないようにしなさい。(ガラテヤ5:1)

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