石ころ

皐月




 多彩な新緑に包まれた道を今日はゆっくり歩く。木々は種類ごとに、微妙に緑の色を変え、形を変えて、あるものは照り映え、あるものは影のように佇んでいる。これこそ神の作品なのだ・・。
人がみんな違うように、神の創造はそれはそれは細やかで丁寧。


 整然と並んだ早苗の田の面は、鏡のように山の緑を映し、青空を映して、準備万端相整いまして候そんな感じ・・。

頭の上から透き通るようなウグイスの声、うん、上手に長く鳴いている。この間まで下手くそだったのに・・。
枝の先を見上げて姿を探すが飛び去る後ろ姿だけ・・見られたくないのかな・・。眼鏡は嫌いだと誰かが言っていた。

昨日ホトトギスの初音を聞いたから、期待したけれど今日はお留守みたい・・そう、ホトトギスはとても減ってしまった。


 ウマノアシガタ、ハルジオン、タンポポ・・草むらに普通にあるけれど、ちゃんと名前をもっている。
緑の中、赤紫のアザミに立ち止まる。五月の野の楽しみのひとつ、私が出会いを待つ花。

桜の枝では小鳥たちが宴会中、枝から枝へと鳴き交わしながら群れている。ぽかんと見上げていると、次々と谷を超えて飛び去った。
ゴメンね。邪魔をする気はなかったの、ちょっと姿が見たかっただけ・・。

鼻の穴をふくらませて、思いっきりフィトンチッドを取り込んだ。低血圧にも体が慣れたみたいで、回復したら五月は心地良かった。

 こんな日本が好き。里山が好き。
此処には、季節毎の豪華なお接待がある。花も木も小鳥も雲もみんなでいのちの喜びを奏でくれる。
この静かな風景が好き。出会う人ごとに穏やかな挨拶を交わせる日々が好き。
このような日本が好きなのだ。

でも、回り舞台のように、すべてがくるりと変わってしまうのではないか・・と思う昨今。
「日本を守る」「日本人を守る」という叫びを聞く度、すべてを失う準備がなされたような不安を覚える。どうしてそのことが守ることになるのだろう・・という疑問の中で。

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