頭上ではパカッと開いた栗のイガから、今にも実がこぼれ落ちてきそう・・。稲刈りの終わった田圃では、キジバトがのんびりとこぼれた籾をつついている。
野に咲き残りの紫苑や百日草、真っ赤な鶏頭の花、コスモスたちが乱れ咲いて、ススキの穂はキラリと光る。
栗林の横を通り過ぎようとしたとき、ガサガサ、ドスン ドスドスと地響きのような音がして、視野の端にチラッと何かが見えた。
「一体、何?何が居るの?確かに何かすごい音がした!」
茂みがのぞき込めるところまで回り込み、藪の中を覗き込んでいると「ブウッブルル」と恐ろしいうなり声が・・
鈍い私にもやっと事態の切羽詰まっていることが分かった。「イノシシだ!威嚇されている、襲われる。」出来るだけ静かに、「イエスさま」と心で呼びつつ、まだうなっている声からそっとその場を離れた。「ああ、恐かった!」
夕食の時、主人に
「どう思う、真昼に車さえ通るあんな所にイノシシが居ると思うか?夜行性のはずやろう、信じられへん・・完全に人間がなめられてるって、後で腹が立ったよ。」
主人曰く「女やって分かっていたんやろう。そうでないと逃げるはずや」
「へえー、私を女って思ったのか!それはすごいことや。イノシシだけが女性扱いしてくれたんや」
「チマタ(地名)のイノシシや優しいんや、感謝せえ。」
二人で爆笑した。
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