石ころ

距離 (ルカ22章)




 「シモン、シモン、サタンはあなたがたを、小麦のようにふるいにかけることを神に願って聞き入れられた。
しかし、わたしはあなたのために、信仰が無くならないように祈った。だから、あなたは立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい。」
するとシモンは、「主よ、御一緒になら、牢に入っても死んでもよいと覚悟しております」と言った。
イエスは言われた。「ペトロ、言っておくが、あなたは今日、鶏が鳴くまでに、三度わたしを知らないと言うだろう。」(ルカ22:31~34)


彼はイエス様の予言を否定した。彼は自分を知らなかった。彼の立つべき所はみことばの他はなかったのだが・・。しかし、イエス様はすでにペトロの弱さを受け入れてくださっている。
シモンではなくペトロ(岩)という名で呼ばれたのは、彼の上に教会を建てるという神様の良い計画であったから・・。
このことは、人の不完全さ弱さの中で建て上げられるのが教会であることを現している。


 「わたしは毎日、神殿の境内で一緒にいたのに、あなたたちはわたしに手を下さなかった。だが、今はあなたたちの時で、闇が力を振るっている。」
人々はイエスを捕らえ、引いて行き、大祭司の家に連れて入った。ペトロは遠く離れて従った。(ルカ22:53~54)


この時までペトロは、思っても見なかった恐怖を経験したのだ。それでも彼の目はイエスさまを追っていた。
彼は人混みに紛れようとしつつも火の側に行った。灯りがあればイエス様からも彼が見えるのであった。彼は人への恐怖と、主を慕う思いの間で激しく戦っていたのだろう。

するとある女中が、ペトロがたき火に照らされて座っているのを目にして、じっと見つめ、「この人も一緒にいました」と言った。
しかし、ペトロはそれを打ち消して、「わたしはあの人を知らない」と言った。
少したってから、ほかの人がペトロを見て、「お前もあの連中の仲間だ」と言うと、ペトロは、「いや、そうではない」と言った。
一時間ほどたつと、また別の人が、「確かにこの人も一緒だった。ガリラヤの者だから」と言い張った。
だが、ペトロは、「あなたの言うことは分からない」と言った。まだこう言い終わらないうちに、突然鶏が鳴いた。(ルカ22:56~60)


彼は人の言葉に怯えて右往左往しつつも、長い時をその場に留まっていた。それが出来たのはペトロがイエス様を近しく経験していたからなのだ。
足を洗っていただいたこと、ほめられたこと、叱られたこと、湖からイエス様の手にすがって引き上げられたこと・・。

主は振り向いてペトロを見つめられた。ペトロは、「今日、鶏が鳴く前に、あなたは三度わたしを知らないと言うだろう」と言われた主の言葉を思い出した。
そして外に出て、激しく泣いた。(ルカ22:61~62)


彼はイエスさまから遠く離れていたけれど、彼の目はイエス様を追っていた。だから振り向かれたイエス様と目が合ったのだ。
その時、彼はみことばをはっきりと思い出すことができた。すべてを赦して祈り備えられていたことを思い出したのだ。
彼は外に出て行って泣いた。みことばが自分のものになったとき、みことばそのものがキリストであり、みことばを抱いて生きるなら主は共に居てくださるのだ。

ペトロの号泣は後悔ではなかった。深い感謝の涙だったのだ。だから彼は裏切った行為に縛られることも絶望することもなく、約束のみことばに望みを持って主を待つことができたのだ。

 示されたみことばに人生を賭けるとき、イエス様の眼差しを感じる。戸惑いや恐れと激しく交錯するのは、ペトロが出会った主の深い眼差しである。その時、みことばの約束を確信して力と平安を得ることができるのだ。

「わたしの恵みはあなたに十分である。力は弱さの中でこそ十分に発揮されるのだ」と言われました。だから、キリストの力がわたしの内に宿るように、むしろ大いに喜んで自分の弱さを誇りましょう。(Ⅱコリント12:9)

試練の時こそ目を離さずに主にとどまっているべきである。
主はペトロの弱さの真ん中で良い計画を告げてくださった。主は弱さを責めるお方ではないが、目を離すとき私たちの良心が自分の弱さを責めるからである。

だから、憐れみを受け、恵みにあずかって、時宜にかなった助けをいただくために、大胆に恵みの座に近づこうではありませんか。(ヘブル4:16

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