ヒルネボウ

笑ってもいいかなあ? 笑うしかないとも。
本ブログは、一部の人にとって、愉快な表現が含まれています。

Book revue エンツェンスベルガー著 ベルナー絵 丘沢静也訳『数の悪魔』(晶文社)

2023-11-30 23:32:42 | 評論

   Book revue

    エンツェンスベルガー著 ベルナー絵 丘沢静也訳『数の悪魔』(晶文社)

高校の数学の教師が「1+1は、なぜ、2か」と質問した。誰も答えない。すると、そいつは得意げな顔をして、「そう決まっているからだよ」と啖呵を切るのだった。

ナンセンス。問いに対する答えになっていない。

実は、このナンセンスな台詞は噂で広まっていた。しかし、誰も答えない。答えると怒りだすのだそうだ。

児童書の『数の悪魔』に、〈1+1=2〉に関するラッセルの証明が載っている。私にはチンプンカンプン。これを見たとき、なぜ、あいつが〈1+1=2〉に拘っていたのか、推測した。これは難問だからだ。あいつは数学者に成り損ね、その挫折感か何かを生徒たちに見透かされまいと悶えていたようだ。

〈1+1=2〉は規則だとしよう。〈2+1=3〉も規則だとする。〈3+1=4〉も同様。しかし、こうして次々に1を足しているだけでは、計算はできない。

〈1+2=3〉は規則ではない。では、〈1+2=2+1〉とやっていい理由は何か。

1+2=1+(1+1)=1+1+1=(1+1)+1=2+1

ということか。不明。

交換法則や結合法則などは常に正しいのか。不明。

法則って何。

* 

  • 必ず守らなければならない規範。おきて。
  • いつでも、またどこででも、一定の条件のもとに成立するところの普遍的・必然的関係。また、それを言い表したもの。「自然の―」

(『広辞苑』「法則」)

「規範」って何。「おきて」って何。「普遍的・必然的関係」って何。不明。

なぜ、人を殺してはいけないのか。

私は知らないよ。知ってるつもりの誰かに聞いてね。

(終)

 


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聞き違い ~仏教

2023-11-29 22:52:31 | ジョーク

   聞き違い

     ~仏教

番狂わせ 晩来る訳

無礼講 ぶりっ子

仏教 不器用

痕跡 今世紀

(終)


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回文 ~離思

2023-11-27 23:10:50 | ジョーク

   回文

    ~李詩

九段坂 疎きに祈祷 火山抱く

(くだんざか うときにきとう かざんだく)

余計者 敵意で生きて 野も行けよ

(よけいもの てきいでいきて のもいけよ)

息絶えた 看護無言か 耐えたき意

(いきたえた かんごむごんか たえたきい

草毟り 畑 活けた葉 李詩無作

(くさむしり はたけ いけたは りしむさく)

(終)

 


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『冬のソナタ』を読む 「いつもその場所へ」(上p145~172)

2023-11-27 00:28:29 | 評論

   『冬のソナタ』を読む

     「いつもその場所へ」(上p145~172)

4 焼却場

ユジンとチュンサンは授業をサボった罰として焼却場の掃除を命じられていた。

「ユジン、僕が雪降らせてやろうか?」

ジュンサンは、枯葉がたくさん入った袋を抱きかかえて焼却炉の上に登ると、枯葉を宙にまいた。

「どう? 雪が降ってる気がするだろ?」

ジュンサンが大声で訊ねた。

「うん」

ユジンは笑顔でジュンサンを見上げた。

「ユジン、初雪が降ったら何するの?」

ジュンサンは話しながらも、枯葉を雪のようにまいていた。

「うん? ジュンサンは何するの?」

ユジンがジュンサンを見上げながら言うった。

「湖で、ある人と会うんだ! お前は?」

「あたしも」

枯葉をまくジュンサンの手は止まらなかった。

(上p170~171)

チュンサンは本当の雪を降らせる、十年後。

(終)

 

 

 


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『冬のソナタ』を読む 「いつもその場所へ」(p145~172)

2023-11-22 18:33:39 | 評論

   『冬のソナタ』を読む

    「いつもその場所へ」(p145~172)

3 小さな明かり

ユジンは、ミンスの答えを聞かずにヨンヒ役を下りる。同時に、戻るべき〈自分の物語〉を失い、迷子になる。

<どれくらい泣いたのだろうか。ユジンを照らす小さな明かりがあった。誰なのかはわからないが、間違いなく自分に向かって近づいて来た。

(上p163)>

チュンサンは、ミンスを演じることで素直になれた。だから、勘が働いて、迷子のユジンに遭遇できた。

サンヒョクは勘が鈍い。彼は素直ではない。彼が探しているのは、ユジンではなかった。彼が探しているのは、ずっと前から迷子の彼自身を探し出してくれるヨンヒだ。

(終)

 

 


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