oso18は加害ヒグマの固有名(コードネーム)
osoは最初の被害が出た地名から、18は前足幅18センチからの命名だという。
オスで330キロ、体長2.2メートルに及ぶ巨体。また実測したところ、足幅も20センチあったという。
ここまで巨体に育ったのはきっと熊界の傑物だったということだろう。
現在大半の肉は人の胃腸を経由して自然に復帰。
乳牛60頭あまりを”食った”らしい。
熊にしてみれば”おお~ここには随分うまくて食いでのあるのが固まっているな。狩るのら~くちん”
ということだったと思うが、なんとも迷惑な恐ろしい生き物だ。
熊は対象が人の場合、どこを攻撃してどこを食べるのか?
攻撃箇所は圧倒的に頭部、顔面、食害するのは内臓より筋肉部だという(内臓を食べないということではない。)
想像するだけでも凄惨な狩だ。
三毛別の開拓村もさぞや恐ろしかっただろう・・・。
ただ、osoは駆除当時、ただちにその個体だとは認識されなかったようです。
やせて皮膚病になっていたのが原因らしく。”まさか・・” というところですかね。
この辺がなにやら平手造酒を思い起こしてしまうところです。
平手は北辰一刀流千葉道場の使い手。
傑物ながらいわゆるエリ-トには当たらない程度らしいです。
酒癖、素行が悪く千葉道場を破門になっています。
そのあたりの本人の感懐(もちろん物語上)
”想い出すなァ……御玉ヶ池の千葉道場か。
うふ……平手(ひらて)造酒(みき)も
今じゃやくざの用心棒、
人生裏街道の枯落葉か”
笹川繁蔵というヤクザに寄食しています。肺病も患っています。
繁蔵は当初飯岡助五郎という大親分と友好関係にあったということですが、自身の伸長に伴い敵対関係に陥ります。
繁蔵は”本職”、助五郎は同じく本職にして十手預かり・・銭形平次が賭場開帳してるイメージですかね。
”行かねばならん!” と絶叫するのは両者の決闘を知ってしまったから。
病身を気遣い妙信尼が止めますが、ここぞと決闘に向かうくだりです。
決闘は複数の死傷者を生じる激しいものですが、笹川方で死亡したのは平手一人だけ。
功をあせって深追いしたところを態勢を立て直した飯岡側にめった斬りにされたということでしょう。
因みに当時の検死記録では、下腹部から小腸が飛び出すほどの深傷を含め、全身に11カ所の切り傷を受けたらしく、にもかかわらず、ひと晩生き延び、翌日の早朝に絶命したそうです。(二木紘三のうた物語より)
やくざの出入がもてはやされるというか、よくわからん部分ですが、義理人情、悲壮感、滅びの美学・・そんなものが承けたんですかね。
クマちゃんは自然のものを生きるために獲っただけ・・ということになろうかと思いますが、同情できませんね。