これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

一石二鳥スープ

2011年04月07日 20時16分59秒 | エッセイ
 とろろ昆布には、子宮内膜を厚くする働きがあるという。妊娠を希望する女性には、おすすめの食品らしいので、試してみることにした。



 しかし、食べ方が今ひとつわからない。
 うちの両親は、とろろ昆布を好まなかったようだ。したがって、食卓にのぼることもなく、私はとろろ昆布なるものを見たことも聞いたこともなかった。
 初めてご対面したのは、小学生のときだったろうか。
 遠足に行き、お弁当の時間になった。友達同士で輪になり、めいめいのお弁当を開いて食べ始める。直美ちゃんは、アルミホイルに包まれたおにぎりから頬張った。しかし、そのおにぎりには、おかしな色の海苔が巻かれている。黒ではなく、くすんだ緑色……。
 カビが生えているのかと驚き、思ったことを口にした。
「ねえ、その海苔は、どうして変な色なの?」
「これは海苔じゃないよ。とろろ昆布。砂希ちゃん、知らないの?」
「とろろ昆布? なにそれ」
「美味しいよ。お母さんに買ってもらいなよ」
 私は心の中で「いらない」とそっぽを向いた。どう見ても、美味しそうではない。絶対、海苔を巻いたほうがいいと思う。

 そんなわけで、いざとろろ昆布を食べようと決めたとき、まずはおにぎりの外側につけてみた。味は見た目よりもいい。しかし、くちびるにくっついて、少々食べづらい。おにぎりにまぶす時間もかかるし、どうも使い勝手がよくない。他に食べ方はないものか。
 頭の中を検索すると、汁物に入っていたことを思い出した。即席スープを探したが、あいにく切らしてしまったようだ。代わりに見つかったのが、出前の寿司についてきた、大量の醤油である。



 いったい、いくつあるのだろう。ゆうに、100個以上はありそうだ。
 次の瞬間、グッドアイデアが浮かんできた。

 この醤油を使って、とろろ昆布の和風スープを作ろう!!

 醤油を1個取り出し、カップに空ける。
 これに、お湯160ccを注ぎ、とろろ昆布を入れれば出来上がりだ。



 やや水っぽいが、手軽さの割には、悪くない味である。
 余分な醤油が片付く上、とろろ昆布もとれるという、一石二鳥のスープなのだ。
「ナーイス!」と、自画自賛した。



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コメント (32)
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