これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

大人の映画「007 スペクター」

2015年12月06日 10時05分31秒 | エッセイ
 普段、映画を観るときは、大学1年の娘と一緒というパターンが多い。
 しかし、ラブシーンがお約束になっている「007」は別だ。スクリーンの前で気まずくなる場面を想像し、ひとりで行くことにする。もっとも、私は高校時代からこのシリーズを観ていたから、あまり気にすることはないのかもしれないが。
 現在のジェームズ・ボンドは6代目だが、私は初代のショーン・コネリーが好きだった。



「ネバーセイ・ネバーアゲイン」の頃には、シワが増えて立派なオジさんになっていた。しかし、男性としての魅力は衰えない。いわば、「全身フェロモン」のようなボンドであった。その後のロジャー・ムーアやティモシー・ダルトン、ピアース・ブロスナンが霞んで見え、007から遠のいた原因になっている。
 しかし、今回の007はSNSの友人たちが絶賛しており、興味をそそられ劇場に来たというわけだ。
「ダニエル・クレイグ? 何者かしら……」
 正直いって、写真からは色気が感じられない。50歳を過ぎている印象だったのに、実際は私より1つ下なのでビックリだ。



 ちなみに、白いタキシード姿のボンドは、「ゴールドフィンガー」以来とある。見事な着こなしぶりに、新ボンドへの期待が高まる。
 映画は、メキシコの「死者の日」という祭りから始まった。



 あとから知ったことだが、この祭りでの「死者は生きている」という言葉が、今回のテーマになっているそうだ。細かい計算が光っている。
 ボンドを殺そうとする敵役ヒンクスには、元プロレスラーで格闘家のデイブ・バウティスタという、聞いたこともない男が抜擢されている。



 いかにも凶悪そうな風貌に加えて、素手で他人の両目を潰すという残虐さも見られる。執拗にボンドを追ってきて、本当に怖かった。殴り合う場面では、ボンドが負けるはずないと思いつつドキドキハラハラ。「早く死ね」と何回念じたことか。
 ボンドの上司であるMを演じたレイフ・ファインズは、初めて見る俳優だと思ったら、意外なところで会っていた。



 プログラムによると、「ハリー・ポッター」シリーズのヴォルデモート役だったらしい。あの不気味な化け物は、目も鼻も口もある普通の男性だったのだ。ひと癖もふた癖もありそうな雰囲気に納得する反面、「名前をいえないあの人」が、ここでは味方というのも変な感じがした。だが、さすがは一流の俳優。何の違和感もなく007の世界に溶け込み、最初からいたような顔をしている。
 6代目ボンドのダニエル・クレイグの評価は二重丸だ。
 まず、胸板が厚く、顔も含めて全身が筋肉質という体型がいい。



 そして、この筋肉の塊が、走って跳んで殴って蹴って、という具合に動くたび、異性としての輝きを放つのである。キラキラ、キラキラと。実にセクシーで、いわば「全身男性美」であろうか。
 表情は乏しいが、自称「殺し屋」はそれくらいでちょうどいい。殺しのライセンスを持つ男が、ニヤニヤヘラヘラしていてはいかんのだ。追っ手に銃を向け、眉ひとつ動かさずに百発百中の腕前を披露してこそ、その道のプロ。クレイグの戦闘場面に痺れ、すっかりファンになってしまった。友人たちの口コミを信じて正解である。



 プログラムの終わりには、007コレクションのDVDなどが載っていた。
 全作品と


 
 俳優ごとの作品と、選べるようになっている。



「うーん、欲しいなぁ……」
 全作品はなくても、クレイグとコネリーがあれば十分。
 でも、家に置いておいたら娘に見られて、「お母さんたらこんな映画を」なんてことになるかもしれない。
 やっぱりレンタルにしようかな……。


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