広大な砂漠の真ん中に
オアシスがありました
そのオアシスに
一匹の臆病なトラがいました
そのトラには
牙がありませんでした
それ故 トラは
闘う事を拒み
傷つく事を恐れ
逃げる事を常としていました
恐れる事もなく
傷つく事もない
このオアシスの中で
平和に生きる事
それだけで トラは幸せでした
疑う事なく
そう信じていました
ある時トラは
砂漠の遥か遠方に
大きな虹を見つけます
その虹の 七色の光は
とても綺麗で
とてもあたたかく
どこかセツナイ
そんな光だったといいます
けれど
トラにとってその光は
あまりに眩しくて
トラは 光を避けるように
オアシスの奥へ
逃げ入りました
あくる日も
またあくる日も
砂漠に 虹がかかりました
そのたびトラは
虹を直視する事ができずに
オアシスの中を
光から逃げ回りました
けれど本当は
トラは その光が
大好きだったのです
トラは
生まれてはじめて
願いました
勇気が欲しい
大切な気持ちと
かけがえのない想いと
向き合う勇気が
とうとうトラは
オアシスを飛び出し
虹に向かって
まっすぐに 走り出しました
広大な砂漠を
来た道を 振り返ることなく
駆け出しました
ノドが渇きます
噴出す汗が目にはいります
足の裏が焼け付くようです
そして
強烈な不安が トラを襲います
それでもトラは
走ることを やめませんでした
どれくらいの時間 走り続けたでしょうか
トラはやっと足をとめ
空にむかって
頭をあげました
虹は そこにありました
トラは
砂漠の砂粒ほどの
勇気をふりしぼり
七色の光を
まっすぐに
その目にとらえました
しかし
その光は
いつしかぼやけて
虹と共に
消えてしまいました
トラの想いは
叶う事はありませんでしたが
その虹の 七色の光は
トラの目の奥に
しっかりと焼きついています
虎はやっと
気付く事ができました
自分には
牙はなくとも
立派な爪がある事を
広大な砂漠の真ん中に
オアシスがありました
そこに
臆病なトラの姿は
もうありません
広大な砂漠の中に
確かにトラの
足跡が
立派な爪の
足跡が
オアシスがありました
そのオアシスに
一匹の臆病なトラがいました
そのトラには
牙がありませんでした
それ故 トラは
闘う事を拒み
傷つく事を恐れ
逃げる事を常としていました
恐れる事もなく
傷つく事もない
このオアシスの中で
平和に生きる事
それだけで トラは幸せでした
疑う事なく
そう信じていました
ある時トラは
砂漠の遥か遠方に
大きな虹を見つけます
その虹の 七色の光は
とても綺麗で
とてもあたたかく
どこかセツナイ
そんな光だったといいます
けれど
トラにとってその光は
あまりに眩しくて
トラは 光を避けるように
オアシスの奥へ
逃げ入りました
あくる日も
またあくる日も
砂漠に 虹がかかりました
そのたびトラは
虹を直視する事ができずに
オアシスの中を
光から逃げ回りました
けれど本当は
トラは その光が
大好きだったのです
トラは
生まれてはじめて
願いました
勇気が欲しい
大切な気持ちと
かけがえのない想いと
向き合う勇気が
とうとうトラは
オアシスを飛び出し
虹に向かって
まっすぐに 走り出しました
広大な砂漠を
来た道を 振り返ることなく
駆け出しました
ノドが渇きます
噴出す汗が目にはいります
足の裏が焼け付くようです
そして
強烈な不安が トラを襲います
それでもトラは
走ることを やめませんでした
どれくらいの時間 走り続けたでしょうか
トラはやっと足をとめ
空にむかって
頭をあげました
虹は そこにありました
トラは
砂漠の砂粒ほどの
勇気をふりしぼり
七色の光を
まっすぐに
その目にとらえました
しかし
その光は
いつしかぼやけて
虹と共に
消えてしまいました
トラの想いは
叶う事はありませんでしたが
その虹の 七色の光は
トラの目の奥に
しっかりと焼きついています
虎はやっと
気付く事ができました
自分には
牙はなくとも
立派な爪がある事を
広大な砂漠の真ん中に
オアシスがありました
そこに
臆病なトラの姿は
もうありません
広大な砂漠の中に
確かにトラの
足跡が
立派な爪の
足跡が