「 おい、任天堂DSやらせてくれ 」
突然そう言い放ったのは、俺の親父。
何のつもりか知らないが、とりあえずDSを親父に渡す。
どんなソフトでもいいという事だったので、
とりあえずゲーム機にささっていたソフトをそのままプレイしてもらう事に。
ソフト名は『テイルズオブイノセンス』というRPG。
爽快かつスピーディーな戦闘がウリのゲームだ。
俺は、途中で飽きてなげたので、その途中からプレイしてもらう。
ゲームが始まる。
数分後。
親父 「 おい、なんか強そうなんが出てきた 」
俺 「 え?マジ?どれどれ 」
おいおい。
どこをどうさまよったのか、
親父、
ボスまでたどりついてた。
俺 「 親父、これボスやわ 」
親父 「 ボスか。強いか? 」
俺 「 強いで 」
親父 「 そうか、強いかー 」
とりあえず、ボスが強いという事を教える。
俺 「 あとこれな、このボタンな、必殺技が出るから 」
親父 「 必殺技か。強いか? 」
俺 「 強いで 」
親父 「 そうか、強いかー 」
ついでに必殺技が強いという事も教える。
長ったらしいボスとの会話イベントが終わり、いざ戦闘に突入。
ペシ ペシ ペシ ペシ ペシッ
戦闘がはじまるやいなや、
狂ったように必殺技ボタンを連打している親父。
俺( え?ええええぇーーーー!? )
必殺技は確かに強い。
しかし強いからこそゆえ、使用後に隙が生じる。
その隙をうまく補いつつ立ち回らなければならない。
雑魚敵ならまだしも、ボスに必殺技連打なんてもってのほかである。
「 センクーレッパッ!うぐぅっ! 」
「 センクーレッパッ!ひでぶっ! 」
「 センクーレッパッ!あべしっ! 」
例のごとく親父、
必殺技後の隙に、
ちゃんとボスのコンボをもらっている。
どんどん減ってゆく味方のHP。
俺 「 親父!回復!回復ぅぅっ! 」
親父 「 えぇい!うるさい! 」
ベシベシベシベシベシベシィィッ!
俺 「 親父!味方死んでる!死んでるぅぅっ! 」
親父 「 はははははははははは!! 」
親父、何がおかしいのか笑い出す。
数秒後、
案の定、全滅。
親父 「 おい 」
俺 「 ん? 」
親父 「 おもしろいなぁ、コレ 」
親父、テラヤングマン。
ーーーー完ーーーー