道草

一人でため息つきたい時もあるでしょ

どっと疲れた大阪W選

2015-11-24 01:27:56 | 雑感
22日の大阪府知事選、市長選は、正午まえに投票に行ってきた。
結果は、維新の圧勝……。また都構想が蒸し返される、ゲソッ!

5月の住民投票で大阪都構想は否決、断崖絶壁ギリギリで、大阪市の崩壊は免れたってのに、またもや今回の選挙に都構想を持ち出すなんて、私の中ではあり得ない、ええ加減にせえっ、の心境だった。
精魂かけて推し進めてきた都構想を、大阪市の存続を願う市民の団結力に砕かれて、終わったんじゃなかったの? 橋下さん。今回またもや、維新候補の応援演説をやってる橋下さんをテレビニュースで見たけど、もうウンザリだった。
考えに考え抜いて住民投票に行ったんだよ。日々、生活していれば、大阪が疲弊しているのは私にも分かる。町中に活気がないのをヒシヒシと感じる。こうも沈滞している大阪の町を活性化するには、既存のシステムをぶっ壊す、橋下さんの都構想パワーが必要なのかも知れないと、迷って、迷って。でも、成功するか失敗するかも分からない都構想で、126年の歴史を持つ大阪市の存在を、そうもアッサリ失って良いものか、どうか。一度、大阪市を失えば、後悔しても取り返しがつかない。再び大阪市を蘇らせるには、ない法律を作るところから始めなきゃいけない。いったい何々十年かかるんだか。都構想が物語るものは、バラ色の未来図。成功する保証はどこにもないってのに。頓挫した場合、旧大阪市民は根なし草? そんな不安定な未来を考えた時、どうしても、一か八かに賭ける気持ちにはなれなかった。
都構想反対の府連は、大阪市存続のままで行政改革は出来る、とおっしゃった。だからそちらに賭けたんだよ。本気で大阪市を大切に思うなら、大阪市温存で改革に着手してこそ本道でしょうよ。約束の大阪会議の対案が進んでないって? そりゃそうでしょう。都構想断念に追い込まれた維新の府知事と市長がそのままだもの、憤怒の感情がくすぶって、対案の協力体勢がまともに取れるとは思えない。それに、都構想が否決されてまだ半年、何十年にも渡り蓄積されてきた大阪市の難題、たった半年そこらで打開策がまとまるなら、誰も苦労せんわ。橋下さんが都構想を住民投票にまで導くのに、5年かけたやん。自民市議団を批判するのはまだ早いて。だから柳本さん、動いたやないか。市議会に鎮座してるだけでは埒があかん、自ら市長となって先頭に立ち、本腰入れて行政改革に取り組む決意を見せはった、と私は思い。
あの日、住民投票で否決を勝ち取ったのに、喜びは奥にとどめた神妙な顔つきで、記者団の質問に答えていた柳本さんの姿が思い起こされる。静かな口調、でも言葉は淀みなく、市民への感謝や、今後の決意、方針を切々と語っておられた。あの時の柳本さんの言葉は嘘じゃなかったと、市長選に立候補されたことを知った時は嬉しかった。
おかしな記者会見だったんだ。橋下パワー爆裂の橋下陣営と賛成派をギリギリのギリギリで押し退けて、都構想否決をもぎ取った勝利だってのに、柳本陣営、喜びに輝く顔もなく、皆一様に神妙な表情で慎ましやかに始まった記者会見。柳本さんの表情も固く、まるで負け戦だったような雰囲気。ほんとに勝ったのか錯覚しそうで困ったけど、浮かれる様子のない皆の顔を見て、分かってるんだな~、と思ったよ。もしかすれば、大阪起死回生のチャンスだったかも知れない都構想を潰した、潰した以上は、都構想を越える改革案の提示、実行は待ったなし! 出来ませんでした、じゃすみまへんで! の賛成派の怒りとか、加えて、大阪市存続を選んでも現状維持は望まない反対派の期待とか、両者を納得させねばならん重責を、ヒシヒシ感じておられる様子が伝わってきて、だから安心した。今後、柳本陣営がどう改革を実行するか、事の成り行きを見守ろうと思った。
市長としての柳本さんの手腕、力量が発揮されるかどうかは、まず、市長選に勝利してからでないと……
と、ここまで、投票から帰ったあとに打ち綴ってたんだけど、綴り終えない内に、テレビから、ニュース速報を伝えるチャイムの音が、聞こえたんだな~。
ギョッとして目を上げると、まるで、柳本さんに期待する私をバカにするかのような、テロップの白文字が、出てた。
「大阪府知事松井氏、大阪市長吉村氏、当選確実」
……うぬっ、ぐぬぬっ、くっそおおおおっ!! 負けたっ……、ダメだったかっっ……。

いっぺんに身体から力が抜けたわ。何をチンタラ書いてるの、私、だ。頭の中、ポッケ~。
なはは、さすがは橋下王国の大阪。都構想が新市長、吉村洋文さんの元で練り直されるのなら、反対する理由はないのかも。ひとまず、懸念だった大阪市消失の危機は先伸ばしになったし。
今度は時間をかけて都構想の仕組み、利点、欠点、必要性、市民全員が納得するまで説明してくれるんでしょうね。「よう分からんな~」て、言わしたらあかんよ。
よう分からんでも、大阪市民、柳本さんが市長になるまでは、待てなかったか……。気忙しいのは大阪人の気質、私もそうやったのに、忘れとったな~。
テレビの集計表を見ると、自民党支持者の約半数が、維新候補に投票してた。そんなに、共産党や民主党から、応援を受けたことも許せなかったの? 都構想の住民投票の時には、容認して乗りきったやないの。私だって、栗原さんや柳本さんが、常日頃敵対する政党の車に乗って、まるで同士のように振る舞う姿は、正視できなかったよ。でもそこは忍の一字。敵対野党の応援は、ほめ殺しだと思うことにした。それに、都構想の投票の時には、煮えきらん様子で傍観してた自民本部が、今回は応援にやって来た。安倍首相の片腕、稲田政調会長の姿を見た時、栗原さんや柳本さんを支持して間違いない、と思ったよ。それになにより、私は大阪市の解体を目論む維新から、大阪の町を守りたかった。そんな思い、何の足しにもならんかったけど。
投票に行く前に、テレビ欄をチェックして、選挙特番を録画予約しておいた。まだ全部は見きれてないけど、大阪の未来を維新に任せてOKか否か、これからジックリ考えさせてもらいますわ。
しかし、ま~、NHKを中心に選挙特番を見てたけど、当確速報が出た段階では、まだ開票率が0%。……0%って、我が目を疑ったわ。出口調査、恐るべし。
常々、出口調査なんて信用してなかった。実際、選挙に行っても、出口調査の記者がいたり、いなかったり。だからあんな集計、マユツバものだと思ってた。でも、調査そのものは大雑把でも、投票人数から計算すると、ほぼ正確な数字になるんだろうか。それでも、過去の選挙で、当確が出たのに、実際に集計が確定したら落選だった候補者もいたし。今回、開票前に当確を出して、それはないでしょうよ~、と思ったけど、集計終了時の確定数と、食い違う危なさもないほど、維新に票が集中してたってことか。
あ~あ、完敗、完敗。当落のジリジリする楽しみまで奪ってくれて、完敗!
しかし、ヤッパリ、悔しい!
柳本さん残念やった。お疲れさんでした。大阪市消失の危機を回避させてくれはって、ありがたかった。
柳本さん市長で、改革されていく大阪を見たかった。無念!

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