北カリフォルニアのお父さん

家族5人 - 北カリフォルニアに暮らす。

次男最後、三男初めての高校サッカー

2019年04月22日 | サッカー
更新です。

少し時間があきました。取りあえず、アニュアルレポートとなることは避けることが
出来ました、何とかこのまま、ひと月、ふた月に一回程度のペースで続けていき
たいのですが・・・。

さて、先日、三男がサンフランシスコ日本語補習校中学部を無事に卒業しました。
昨年の次男の高等部卒業からもう1年。昨年は完全にタイミングを逃してしまい、
本ブログでカバーすることはありませんでした。今更ですが、改めて三男の分も
合わせ、次男の補習校卒業もまとめようと思います。 但しその前に、2月に
終わった高校サッカーのシーズンについて触れておきたく、卒業式について書き
綴るのは次回といたします。(終わってしばらく時間が経ったものばかりを追って
いく本ブログです。)

高校サッカーにつきましては、三男の2018年のハイライトで少し触れました。
Senior の次男にとっては最後、また Freshman の三男には初めての高校
サッカーは、息子達2人が同じチームでプレーという我が家では過去に一度も
なかった最初で最後のシーズンでした。3年前になぜ長男と次男が一緒に
高校でサッカーをしなかったかと言いますと、次男は当時、USDA (アカデミー
リーグ) に属しており、厳しい規則の下、他の一切のリーグへの参加を許され
なかったためです。今回は、息子2人とも USDA に属することもなく、兄弟、同じ
チームでの高校サッカーが実現しました。

息子達2人について詳しく述べる前に、(以前にも少し書き綴ってはいますが
改めて詳しく) アメリカの高校サッカーについてまとめておきます。

日本の高校とは異なり、アメリカでは、高校のスポーツは1年を通してべったり
といったことはなく、シーズンは3ヶ月にまとめられています。よって、日本の
ように入学式の後に〇〇部に入部し、3年間の高校生活を捧げるといったことは
ありません。全てのスポーツは、秋、冬、春の3つのシーズンのどこかに振り分け
られ、例えば、アメリカンフットボールは秋、サッカーとバスケットボールは冬、
野球、水泳、陸上競技は春となっています。シーズンは異なりますので、年間を
通して複数のスポーツに携わる生徒も多いようです。ちなみに3年前に高校を
卒業した長男は、冬のサッカーと春の陸上競技にエネルギーを注ぎました。一方
次男、三男は、サッカーのみです。大学からスポーツ特待生としてお誘いを受ける
高校生は勿論、大学生を対象としたプロ・スポーツのドラフトでも、アメリカン
フットボールを選ぶか、野球を選ぶか悩んだ末にこちらを選んだといったスター
アスリートの話も時折耳にします。才能のある選手からいろいろな可能性を引き
出す恵まれた環境だと思います。

カリフォルニア州の高校スポーツは、州政府下にある California Interscholastic
Federation 、通称 CIF という仰々しい名前の団体が統括しています。そこが、
カリフォルニア州を10の地区に分け、それぞれで支部団体が設けられています。
サンフランシスコを除く北カリフォルニアの場合、Central Coast Section 通称
CCS という団体が母体となり、毎シーズン、他の支部同様、それぞれのスポーツで
リーグ戦を組み、シーズンの最後にチャンピオンシップを行います。また、4年制
高校で、一番下の Freshman と最年長の Senior の年齢差は3年もあり、全学年を
ひとくくりにすることはしません。身体的にも開きのある選手が一緒にプレーする
ことは、特に団体競技では危険であり、大まかに年齢の下から「Freshman」、
「Jr. Varsity」、「Varsity」の3つのチームに分けられます。但し、選手のレベルに
より飛び級で上のチームに参加することは決して珍しくありません。

CCS は、かなりの広域をカバーしているため、その中で更にいくつかのブロックに
分け、それぞれで、参加高校を実力により一部、二部リーグに振り分けています。
息子達の高校チームは、二部リーグでした。11月半ばから1ヶ月のプレシーズンが
始まり、その後、ブロック内のそれぞれの対戦校で Home、Away の2試合が
組まれ、2ヶ月をかけてリーグ戦を消化します。一度、相手校を負かしても、次の
試合で仕返しされることもあり、その逆も然り、ライバル校間の試合ではどうしても
熱くなります。そして、シーズン最後にそれぞれのブロックから勝ち点の合計で
プレーオフに進出するチームが決まり、複数のグループに分けて1週間かけて
それぞれのチャンピオンを決定します。プレーオフ進出をかけた勝ち点の計算は
複雑であり、プレシーズンで上のリーグのチームを負かしたり、本シーズンで
リーグのトップチームを負かしたりすると、ボーナス点をもらえるようです。

長くなってしまいましたが、私達が住む北カリフォルニアの高校サッカーは、以上の
ようにして行われます。

さて、いよいよ息子達2人です。クラブサッカーは11月の半ばで秋のシーズンが
終わり、直ぐに高校サッカーのシーズンがスタートします。クラブサッカーの
スケジュールを考慮して日程が組まれているようです。三男のハイライトの通り、
彼の初めての高校サッカーは、トライアウト(入部テスト)の結果、飛び級で
次男と同じ「Varsity」チームに入ることが出来ました。10月末より授業後に2週に
かけて行われたトライアウトは、開始時何十人といた参加者を、1日ごとに数名を
落としていき、「Varsity」は、最終的に15名が選ばれました。高校サッカーは、
実を言いますと、クラブサッカーに属する選手が何名いるかでほぼ実力が決まり
ます。息子達の高校「Varsity」チーム15名の中には、次男と同じサッカークラブ
から学年は異なりますが、4名、他のクラブに属するプレーヤーが三男を含めて
4名いました。後は、年一度、高校サッカーだけに参加するメンバーでした。

トライアウト終了後、直ぐに練習が始まりました。週5日、授業後から日が暮れる
までの2時間ほどです。息子達いわく、練習内容はクラブチームの方が洗練されて
いるそうです。様々なレベルのプレーヤーが雑居する高校サッカーでは仕方ない
のかもしれません。

11月半ば、一部、二部を混ぜて試合を組むプレシーズンが開始し、戦績は
悪くありませんでした。3ヶ月だけの即席チームと言えども、半数以上が昨年の
チームからのメンバーであり、また、日頃、クラブサッカーで鍛えられている
プレーヤーも半数いたため、ゼロからのスタートではなく、チームとして機能はして
いました。また、試合数をこなすごとにチーム内のピッチ上の意思疎通はよくなり、
システムにも磨きがかけられていきました。

次男のポジションはクラブチーム同様センターミッド。三男は左ウィンガーでした。
次男と同じ Senior で他のクラブチームに属するディフェンダーのプレーヤーが
キャプテン、次男は副キャプテンとなり2人でチームを引っ張っていきました。

そしてアクシデント。次男が練習中に足首を痛めました。数週間試合を休むこと
になり、少なからず試合にも影響は出ました。負けが続きましたが、シーズンが
折り返し地点を過ぎたころにようやく調子を取り戻し勝ち試合が出てきました、
その後、次男が復帰。勢いを崩さず、リーグのトップを走るチームを Home ゲーム
で撃破。それでも誰もがリーグ戦最終戦でシーズンは終わりと思っていましたが、
驚いたことに前述の複雑な勝ち点の計算により、最終戦を勝てば、プレーオフ
進出であることが分かりました。チーム内の士気ボルテージは一気に最高値に。

そして最終戦は、例年お決まりのライバル校とのカードです。2週前の1位校
撃破により入れ替わってトップに立ったのがそのライバル校です。相手チーム
には、次男の同じクラブチームのチームメートも数名おり、どちらのチームも絶対に
負けられない特別な試合となりました。時はまだ2月半ば。雨の試合。普段は
観戦者が殆どいない高校サッカーの試合ですが、ライバル校同士ということもあり、
Away のシーズン最終戦は、相手校を応援する生徒、家族がスタンドに足を運び、
普段の試合にはない雰囲気となりました。

シーズン半ばの相手校との最初の試合は、Home で0-0で同点。お互い引くこと
の出来ない2試合めが始まりました。前半、無得点の均衡が暫く続いた後です。
仲間がはずしたシュートのリバウンドを、三男がゴール左横からワンタッチの
ボレーでネットに叩き込みました。先制点です。その後、直ぐに相手チームが
こちらのディフェンスのミスをつき同点ゴール。雨の中、自然芝でボールは遅く、
足を滑らしたりで普段のプレーが出来なかったのはお互い様です。後半、残念
ながら相手校が一枚上でした。3点の追加点の結果、4-1で完敗。後半、試合の
流れを変える大きなチャンスはありましたが、生かすことは出来ず、試合は終了。
歓喜にわく相手チームや、観客席に目を向けることもなく、息子達のチームは、
雨の中、視線を落とし、つらい結果を受け入れました。その後、相手校はプレー
オフで2回戦まで進んだそうです。兄弟が一緒にプレーする最初で最後の高校
サッカーシーズンの終末は残念な結果となりましたが、シーズン最後のチームの
ゴールが Freshman の三男によるものであったことは、いいサプライズでした。
チームに来年への期待を少しだけ持たせ、次男の高校サッカーは幕を下ろし
ました。


来年、三男の高校サッカーについて書き綴りたいと思います。


写真です。 (最終試合の写真は少し多めです。)





息子達が通う高校のフィールドです。サッカーの試合で訪れる他校は、殆どが、陸上競技用
トラックの中に人工芝のアメリカンフットボール、サッカー兼用のフィールドが設けられ、
観客席、照明、トイレが完備されています。カリフォルニア州の教育関連の予算カットは耳に
たこができるほど聞いてきましたが、高校の整ったスポーツ施設にはいつも感心させられます。
そして、息子達の高校はと言いますと、観客席、トイレ、3年前に設置された照明はOKです。
問題は、自然芝です。雨天が続くと使用禁止となることもあり、人口芝の他校と比べますと
ハンディを背負ってるような気がします。




プレシーズンの開始です。




次男は、最後のシーズンは「10」番を背負いました。




三男は、過去に次男がつけたことのある「18」番でした。




本シーズンが始まってすぐ、次男は怪我でベンチからの観戦が数週間続きました。復帰後の
Away の試合です。




遅れを取り戻し、チームへの貢献に努めました。 パス。




跳んで




チャンスには、打っていきます。




そして三男。 シーズン前半、上級生に囲まれ少し引き気味でしたが、後半には、遠慮は
全く見られませんでした。




この後、Finish に失敗し、初得点にはつながりませんでした。




Home でリーグのトップチームを迎えました。次男、最初はパスを狙っていたそうですが、
スペースが空き、打っていったそうです。 「ゴーーール!」




家内もスタンドより観戦していましたが、次男の得点後の笑顔と視線の先にいた女性は、
家内ではありませんでした。次男も一般的な高校生です。




直ぐに1点返されましたが、追加2点を入れて守り抜き、金星。




翌週の Home ゲームです。




後半、三男、初ゴール。チームメート達から手荒い祝福を受けます。




そして、ライバル校相手のプレーオフがかかったシーズン最終戦がやってきました。




前半の均衡をやぶったのは三男でした。喜びを爆発させます。




この2人が抱き合って喜び合う姿は、三男がよちよち歩きの頃以来と思います。




守りにも力が入ります。 実は、このライバル校のフィールドも、このエリアでは
珍しい自然芝です。雨の中、白いユニフォームは凄いことになっていきました。




1点返され、1-1のタイでハーフタイム。




後半の開始。 集中を切らさず。




勝つことだけを考えていたと思います。




しかし、相手チームに勝ち越されました。 雨足が強くなります。




次男がボールを持ち、左サイドを三男がかけあがります。右サイドへのパスを選びました。




チャンスは何度かありました。この写真を撮る前、三男がボールを取り、マークを振り
切ってコーナー近くまでかけあがりました。次男におくった絶妙なパスはわずかに届き
ませんでした。




あきらめません。




3点差。逆転はもう不可能でしたが、試合終了ホイッスル直前のフリーキック。




全てが終わりました。決してポーカーフェイスではありませんが、普段、人前で涙を
見せることはない次男も、この試合の口惜しさは特別だったようです。次男をいたわる
のは、共にチームを引っ張ってきた Senior でキャプテンのチームメートです。




試合の後、家内が、次男、三男の Home、Away 両方のユニフォームを洗濯し、翌週、学校に
返却しました。次男の「10」番、来年は後輩の誰かが背負います。たった3ヶ月でしたが、
大きな怪我もなく、息子達2人が同じピッチに立ってプレーする姿を楽しませていただき
ました。



以上、写真でした。次の更新は、補習校の卒業についてとなります。