shining's ブログ 「音楽と旅と珈琲と」

音楽大好き男の徒然なる日記

北海道新聞2020年11月8日付記事「金持ちJR、貧乏JR 磯田佳孝」

2020-11-09 | 鉄道
冬になってきました。
テンプレートを替えてみました。

入浴剤は「音泡ボタニカル~ナチュラルハーブ」や
クナイプ「バスソルト~レモングラス&レモンバームの香り」がお薦めです。





では、本題です。

-------------------------------------------------------------------------------------------------

北海道新聞 2020年11月8日付記事
「金持ちJR、貧乏JR 磯田佳孝」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/479328?rct=n_economy

ロングセラーとなった財テク本「金持ち父さん 貧乏父さん」(ロバート・キヨサキら著)に、
投資法の当否は別にして、気になる記述があった。

「金持ちは資産を手に入れる。
中流以下の人たちは負債を手に入れ、資産だと思いこむ」

資産は収益を生み、さらに投資に回る。
維持に金がかかる「負債」を持つと、落ちた穴の中で穴を掘るように貧乏から抜け出せない。
この場合の負債は「負の財産」といった意味だ。


何かに似ている。
1987年に同じ国鉄から分割民営化したJR各社の姿ではないか。



大都会の路線網やドル箱・東海道新幹線などを持つ本州3社は10年後には株式上場し、完全民営化した。
新型コロナ禍で今期決算は巨額の赤字見通しだが、
東日本、東海は内部留保を示す利益剰余金が9月中間連結でなお2兆~3兆円台に上る。

一方のJR北海道。
コロナ流行前から全路線が赤字だ。
言葉は悪いが「負の財産」の鉄路が経営をさらに圧迫し、
来春には全道的な減便を進めるという。

もちろん本州3社は、貨物とともに国鉄の借金のうち計5.9兆円を引き継いだ。
逆に北海道、四国、九州は経営安定基金という“持参金”をもらった。

基金運用金利が低迷する中、九州は多角経営ではい上がった。
とはいえ、北海道の窮状を努力不足とばかり責められない。


分割民営化を決定づけたのは1982年の第2次臨時行政調査会(土光敏夫会長)の答申だ。
旧大本営参謀で伊藤忠商事会長も務めた瀬島龍三氏が実質的に差配し、
「国鉄を7ブロック程度に分割する」よう求めた。

なぜ分割なのか。
後に瀬島氏が旧道開発庁の懇談会座長を務めた際、
事務局担当だった小磯修二氏(現・北海道観光振興機構会長)は直接尋ねたという。

瀬島氏によると、臨調の議論はまとまらず、多くの専門家の話を聞いた。
その中で「分割してこそ国鉄の再生がある」とする
交通評論家、角本良平(かくもとりょうへい)氏の意見が
「大変印象深く、土光会長も感心して聞いていた」。

角本氏は東海道新幹線建設に携わった国鉄OBだ。
その説明資料は次のような内容だった。

国鉄破綻の原因は「巨大な規模の中で自己責任が見失われた」ためで
「各地域の実情に即した経営を行う必要」がある。

ただ、結論は現状と異なる。

「分割後の経営主体はなお多額の助成を要するし、民営にはなじまない」
「国鉄の現在の資産を現物出資した特殊法人とし、
かつ今後の投資と欠損処理には地方自治体が責任をもつ」

JR北海道の経常赤字は前期連結でも135億円だ。
今後さらに膨らむ。
地元だけでは到底背負い切れない。


だが、国の小出しの支援策で食いつないでも展望はない。
逆風下でもビジネス転換を模索できる「金持ちJR」とは違う。

「負の財産」とみなす赤字区間をひたすら切り捨て、
約10年後の新幹線札幌延伸を「優良な資産」と信じてすがる。

本当にそれでうまくいくのだろうか。
新青森~新函館北斗は開業4年を経て赤字続きだ。


着工前の政府・与党の試算では年平均45億円もの収支改善効果があった。
JR幹部が「予想以上」と驚いたのを思い出す。

最高時速が275キロなど甘い前提だった。
今も260キロしかない。
速度向上のネックとなる青函トンネルの貨物共用走行も解決を棚上げしたままだ。

鉄路は国民の財産だ。
民間の競争原理が見合わない地域では鉄道施設を国や自治体の所有にして、
運行のみ会社経営にする方策もある。
「金持ちJR」を目指すだけが正解ではない。


-------------------------------------------------------------------------------------------------

もしあなたが退職したら、収入が激減する仕事に転職するならどうしますか。
まず出費を削るはずです。

家や生命などの保険類。
クルマを1ボックスのワゴンから軽自動車かHVコンパクトカーにして、
ガソリン代を削る。
生きがいじゃない交際費も削る。
間違っても株や競馬といった「バクチ」じゃない筈だ。

でも、JR北海道のやってる事はどうだ。
冬でも、いや、冬こそ鉄道は安定した移動手段なのに、
「北斗」「おおぞら」「オホーツク」という肝心要の特急の本数を削り、
完成後も大赤字を生み出すだけじゃなく、”第三セクター化”という分断を作ってしまう
あげくは東京~札幌間のライフラインという「物流」を抑え込んでしまう
整備新幹線という「大バクチ」を見直そうともしていない。

個人的には、札幌~旭川間の特急「カムイ」「ライラック」の“一本化”は必要に思うが。

このコロナパニック、整備新幹線と
3兆円も国費投入するリニアモーターカーこそ大きくメスを入れるべきだと思う。

Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「劇場版ヴァイオレット・エ... | TOP | バイデン氏が勝利 米国の再... »
最新の画像もっと見る

Recent Entries | 鉄道