北海道新聞 2020年9月6日付社説
「胆振東部地震2年 電力の地産地消目指せ」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/457461?rct=c_editorial
2年前のきょう、私たちは国内初の全域停電(ブラックアウト)に見舞われた。
胆振東部地震で、震源地に近い北海道電力の苫東厚真火力発電所が緊急停止した。
これをきっかけに295万戸の電気が消え、全面復旧に丸2日を要した。
地震当時、道内電源の総出力の半分近くが苫東厚真に集中していたのが主な原因だ。
その後、北電は液化天然ガス(LNG)火発を稼働させ、北海道ガスも同事業に参入した。
新電力の洋上風力計画も相次ぐ。
電源だけでなく送配電網の分散も重要だ。
地域で再生可能エネルギーなどを独立供給できるよう、供給強靱(きょうじん)化法が6月に成立した。
実用化に向け道内でも試行が続く。
本州を結ぶ北本連系線増強を進めつつ「エネルギーの地産地消」を図りたい。
ブラックアウトから1年後、
千葉県では台風で鉄塔が倒壊し、東京電力管内の最大93万戸が停電した。
復旧に16日間もかかった。
胆振東部地震でも、揺れにより道東を結ぶ3本の送電線が故障し、停電が拡大した。
大規模発電所で作った電気を一方的に送る体制のリスクが露呈したといえる。
道内は太陽光や風力などの宝庫だ。
自給自足は可能なはずだ。
このため、強靱化法は、地域を特定し、既存の送配電網を利用した配電業者の新規参入を認めた。
平時は電力大手と接続し、災害時に再エネでの独立運用が可能となる。
小規模電源を束ねて供給する卸業者の参入も促進する。
これに先駆けて、十勝管内上士幌町は昨年6月、
国の支援事業で家畜のバイオガス発電活用による小規模送電網づくりを開始した。
だが、「非常時のためだけに町単独で膨大な投資を行うのは困難」として計画を断念している。
一方で、道内初の蓄電池併設型風力発電所を持つ渡島管内松前町は、
運営元の東急不動産と災害時の電源確保を図る協定を結んだ。
地域の事情に合わせた多様な仕組みを模索したい。
強靱化法では、中山間地などで電力大手が配電網を常時独立させる方式も盛り込んだ。
幹線と結ぶ送電線の維持費が不要となり電源投資に回せる。
情報開示も大切だ。
2年前、北電は道などへの報告が遅れた。
国は、電力事業者に自治体との災害時連携計画策定や復旧状況の連絡を法律で義務付けた。
あの日、情報不足が不安を増幅させた。
平時から透明性を確保することで備えとすべきだ。
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2年経過した今でも、札幌市を含む全道がブラックアウトした衝撃を忘れていない。
あの一件で自分は「〇〇ペイ」「キャッシュレス」などに代表される電子決済に頼り切った
東京発の経済概論だけでは危険だと実感した。
再生可能エネルギーの独立供給
電力の地産地消
バイオガスでの発電
送電線の自由化 など
北海道の、東京(中央)からの独立した発想で進化できることを
期待して止まない。
忘れてはならないのは、道内では今なお8月末現在、
少なくとも346世帯・748人が仮設住宅で避難生活を送っていることだ。
昨日の朝日新聞夕刊での、厚真町在住で家族3人を失いながらも一人で農業に汗を流す50代男性の記事を読み
彼の健康と、一刻も早く安定した暮らしにつけるように祈った。
まだ道の途中、
それを忘れてはいけない。
「胆振東部地震2年 電力の地産地消目指せ」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/457461?rct=c_editorial
2年前のきょう、私たちは国内初の全域停電(ブラックアウト)に見舞われた。
胆振東部地震で、震源地に近い北海道電力の苫東厚真火力発電所が緊急停止した。
これをきっかけに295万戸の電気が消え、全面復旧に丸2日を要した。
地震当時、道内電源の総出力の半分近くが苫東厚真に集中していたのが主な原因だ。
その後、北電は液化天然ガス(LNG)火発を稼働させ、北海道ガスも同事業に参入した。
新電力の洋上風力計画も相次ぐ。
電源だけでなく送配電網の分散も重要だ。
地域で再生可能エネルギーなどを独立供給できるよう、供給強靱(きょうじん)化法が6月に成立した。
実用化に向け道内でも試行が続く。
本州を結ぶ北本連系線増強を進めつつ「エネルギーの地産地消」を図りたい。
ブラックアウトから1年後、
千葉県では台風で鉄塔が倒壊し、東京電力管内の最大93万戸が停電した。
復旧に16日間もかかった。
胆振東部地震でも、揺れにより道東を結ぶ3本の送電線が故障し、停電が拡大した。
大規模発電所で作った電気を一方的に送る体制のリスクが露呈したといえる。
道内は太陽光や風力などの宝庫だ。
自給自足は可能なはずだ。
このため、強靱化法は、地域を特定し、既存の送配電網を利用した配電業者の新規参入を認めた。
平時は電力大手と接続し、災害時に再エネでの独立運用が可能となる。
小規模電源を束ねて供給する卸業者の参入も促進する。
これに先駆けて、十勝管内上士幌町は昨年6月、
国の支援事業で家畜のバイオガス発電活用による小規模送電網づくりを開始した。
だが、「非常時のためだけに町単独で膨大な投資を行うのは困難」として計画を断念している。
一方で、道内初の蓄電池併設型風力発電所を持つ渡島管内松前町は、
運営元の東急不動産と災害時の電源確保を図る協定を結んだ。
地域の事情に合わせた多様な仕組みを模索したい。
強靱化法では、中山間地などで電力大手が配電網を常時独立させる方式も盛り込んだ。
幹線と結ぶ送電線の維持費が不要となり電源投資に回せる。
情報開示も大切だ。
2年前、北電は道などへの報告が遅れた。
国は、電力事業者に自治体との災害時連携計画策定や復旧状況の連絡を法律で義務付けた。
あの日、情報不足が不安を増幅させた。
平時から透明性を確保することで備えとすべきだ。
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2年経過した今でも、札幌市を含む全道がブラックアウトした衝撃を忘れていない。
あの一件で自分は「〇〇ペイ」「キャッシュレス」などに代表される電子決済に頼り切った
東京発の経済概論だけでは危険だと実感した。
再生可能エネルギーの独立供給
電力の地産地消
バイオガスでの発電
送電線の自由化 など
北海道の、東京(中央)からの独立した発想で進化できることを
期待して止まない。
忘れてはならないのは、道内では今なお8月末現在、
少なくとも346世帯・748人が仮設住宅で避難生活を送っていることだ。
昨日の朝日新聞夕刊での、厚真町在住で家族3人を失いながらも一人で農業に汗を流す50代男性の記事を読み
彼の健康と、一刻も早く安定した暮らしにつけるように祈った。
まだ道の途中、
それを忘れてはいけない。