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音楽大好き男の徒然なる日記

原爆投下から76年 廃絶求める世論に応えよ(北海道新聞社説ほか)/愛の世代の前に Live(浜田省吾)

2021-08-07 | 日記
北海道新聞 2021年8月6日付社説
「原爆投下から76年 廃絶求める世論に応えよ」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/575437?rct=c_editorial


広島はきょう、長崎は9日、76回目の原爆の日を迎える。

広島では約14万人、長崎では約7万4千人がその年のうちに亡くなった。
放射線は身体をむしばみ、今も後遺症に苦しむ人が多い。

核兵器は瞬時に無差別に大量殺りくする「絶対悪」である。

核兵器の製造や保有、使用を全面的に禁じる「核兵器禁止条約」が今年1月に発効した。

核禁条約は核廃絶を求める国際的な世論が結実したものだ。
既に86カ国・地域が署名し、うち55カ国・地域が批准している。

しかし日本は、米国の「核の傘」の下にあることから、署名・批准を拒否している。
唯一の戦争被爆国として核廃絶を主導する責任を果たすべきだ。

冷戦後最悪の関係と言われる核大国の米国とロシアは条約を一顧だにしていない。
台頭する中国は核兵器を増強し続けている。

核の脅威は高まる一方だ。


米英仏ロ中の5カ国に核軍縮義務を課した核拡散防止条約(NPT)は十分に機能していない。
米ロ間の軍縮も後退している。

核保有国は核廃絶の必要性を真剣に受け止め、NPT体制の立て直しを含め、
核軍縮に早急に取り組まなくてはならない。


◆米ロは軍縮へ転換を◆

米国のトランプ前政権がロシアとの中距離核戦力(INF)廃棄条約から脱退したことで、
米ロの核軍縮の枠組みは、新戦略兵器削減条約(新START)だけとなった。

政権を引き継いだバイデン大統領は1月、新STARTを5年間延長することで、プーチン大統領と合意した。
その後、新STARTの将来像を話し合う「戦略的安定対話」設置でも一致した。

核兵器の9割は米ロが保有する。
両首脳はこれを機に、核軍縮に積極的に動くべきだ。

一方、中国は、米ロと核保有数で大差があることを理由に、核軍縮交渉を拒否し、
大陸間弾道ミサイル(ICBM)用の地下発射施設を建設するなどしている。

まずは米ロが核軍縮を主導する姿勢を示し、その重要性を中国に認識させる必要もあろう。

核軍縮は核弾頭の数や、それを搭載するミサイルなどの運搬手段を制限するだけでは不十分だ。

ミサイル防衛(MD)網や、それを突破する極超音速兵器など、核に関連する幅広い分野を網羅しなければならない。


◆NPT立て直し急げ◆

核廃絶を進める上で基本となるのは、核保有国も参加するNPTである。

ところが、米国、ロシア、中国は核軍縮に背を向けて、核兵器の近代化を競っている。
英国も中ロに対抗して、核弾頭保有数の上限を引き上げると表明した。
北朝鮮は米朝協議が停滞する中、核開発をやめない。
イランは核合意からの米離脱に反発し、ウランの濃縮度を上げる。
国際法をほごにする動きは正当化できない。

NPT体制の立て直しは急務だ。
オバマ元大統領の「核なき世界」の理念を受け継ぐバイデン政権は、その先頭に立つべきだろう。

日本は核保有国と非保有国の「橋渡し役」を自任し、NPTを重視してきた。
なのに菅義偉首相はバイデン氏に核廃絶で何ら要求せず、役割を果たしていない。

日本は核禁条約に距離を置いたことで、非保有国の信頼も失っているのが現状だ。


広島市の松井一実市長はきょうの平和宣言で
「被爆者の思いを誠実に受け止めてほしい」と訴え、
政府に対し、核禁条約への署名と、来年の第1回締約国会議への参加を求める。

政府はオブザーバーという形を取ってでも締約国会議に参加するべきだ。


◆一刻争う被害者救済◆

広島市の平和記念公園にある原爆資料館は、被爆した人々を記憶し次世代に伝えるため、
遺品など実物資料の展示を増やしている。

その品々からは、きのこ雲の下、熱線と爆風によって、
日常を一瞬で奪われてしまった一人一人の姿が浮かび上がる。

被爆者の平均年齢は84歳に迫る。
昨年度は8,952人亡くなり、計12万7,755人となった。

にもかかわらず、国は被爆者救済にあまりに後ろ向きだと言わざるを得ない。

原爆投下後に降った「黒い雨」の裁判で、国は上告を断念したが、
内部被ばくの健康影響に関する判決の一部を受け入れていない。

長崎でも被爆者と認められていない人たちが裁判で争っている。

国は被爆者の認定を地域で線引きするのではなく、
被爆の実態に即して、救済へ早急な対応を取る必要がある。

日本政府は被爆の実相から目を背けず、
「核なき世界」実現へ先頭に立つ自覚を一層持つべきだ。


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今、政府の要人は原爆と被爆者のことをどう思っているのか。
それを如実に物語る記事も。


東京新聞 2021年8月7日付記事
「菅首相、“原爆の日”にも核廃絶への覚悟見えず 核禁条約の批准要請に“ゼロ回答” 憤る被爆者団体」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/122490?rct=politics

「原爆の日」の6日、
菅義偉首相は原爆死没者慰霊式・平和祈念式(平和記念式典)出席のため訪れた広島市で、
就任後初めて被爆者団体の代表らと面会した。

1月に核兵器禁止条約が発効したタイミングでもあり、批准を求める声が相次いだのに対し、
首相はゼロ回答。
原爆投下直後に降った「黒い雨」を巡る訴訟の上告断念という実績は強調したものの、
核廃絶への積極姿勢は見えなかった。

(文章執筆:井上峻輔 氏)

◆「橋渡し」といっても…
「被爆国の日本が核禁止条約を批准すれば、他国に大きな影響を与える」
「批准することこそ、核保有国と非保有国の橋渡しの近道となる」

面会には7団体が参加し、3団体が条約に言及。
式典では広島市の松井一実市長も批准を求めた。

だが、首相は面会の締めくくりのあいさつで「ゴールは共有している」と応じつつ、批准は素通りし
「現実的に核軍縮を前進させる。立場の異なる国々の橋渡しに努める」
と話すにとどまった。

広島被爆者団体連絡会議の田中聰司事務局長(77)は「橋渡し」の具体策を尋ねようとしたが、
司会者に「次の日程」を理由に打ち切られた。


田中氏は面会後、取材に
「『橋渡し』という言葉だけで、何をするのか言っていない。質問ぐらいできるようにしないと」 と憤った。


 ◆「核の傘」に守られ…
条約は昨年10月、発効要件の50カ国・地域の批准に到達。
現在は55カ国・地域が批准している。

唯一の被爆国として国際社会に核廃絶を訴えながら、
日本政府が批准を拒むのは、米国の「核の傘」に頼る安全保障政策を取っているためだ。

批准はしなくても、来年1月に予定される初の締約国会議にオブザーバー参加するという方法もある。

原爆の日を前に、5日に広島市内で開かれた与野党8党の国会議員らによる討論会では、
公明党の山口那津男代表が「当面はオブザーバー参加し、積極的貢献を果たすことだ」と主張。
地元選出の自民党の寺田稔衆院議員も
「何らかの形で参加する土壌ができつつある」と言及するなど、全員が前向きな発言をした。

しかし、首相は式典、面会後の記者会見で
「慎重に見極める必要がある」と消極的な姿勢を示した。

批准についても
「条約に署名する考えはない」と明言。


言葉では核廃絶への決意を繰り返したが、裏付けは乏しかった。


東京新聞 2021年8月6日付記事
「被爆者”首相の話は響かない” あいさつ読み飛ばしに冷ややか」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/122418


菅義偉首相が6日、
広島の原爆死没者慰霊式・平和祈念式のあいさつで原稿の一部を読み飛ばしたことについて
被爆者から
「真剣でない証拠」
「首相の話は響かない」と冷ややかな声が聞かれた。

首相は「わが国は核兵器の非人道性をどの国よりもよく理解する唯一の戦争被爆国」などの部分を読み飛ばした。

17歳の時に被爆した正岡喜代三さん(93)=広島市=は
「真剣に考えていない証拠だ」と憤った。
「毎年首相のあいさつはありきたりなことばかり。いつも紙を読んで1人ではようしゃべらん」

首相は「『核兵器のない世界』の実現に向けた努力を着実に積み重ねていくことが重要です」も読まなかった。

  ↑
『読み飛ばし』は表面的な事実です。
本質的には、この人が
犠牲者への鎮魂も、生存する被爆者への思いも
核廃絶の祈りも、政治家としての使命感もなく
何も考えてない、頭からっぽで広島に来た…
という『首相失格』のニュースです。
真剣にやってたら、こうなるわけがない。
 (東京新聞労働組合 さんのツイートより)

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この背景には、菅(すが)首相の地縁が被爆地と無縁であることもそうだが、
国の原子力発電への姿勢がまったく変わっていない事もある。

東京新聞 2021年8月2日付記事
「頼みの原発 試算コロコロ 東電の今後10年の再建計画 本当に可能?」 より抜粋
https://www.tokyo-np.co.jp/article/121132

”東京電力は経営再建で、なお原発に頼る。
新たにまとめた今後10年の経営方針「第四次総合特別事業計画」では、
原発のコスト(費用)面の利点を半減させつつ、
不祥事で運転禁止とされた柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働を来年に見込んだ。”

”東電は再建計画で、2011年1月に着工して福島事故後に中断している東通原発(青森県)の
工事再開を目指すことも明記した。”

”東電は脱炭素に向けて3兆円を投じるが、再生エネに1兆円、
残り2兆円は東通の建設準備や柏崎刈羽の対策工事の費用の他、送電網の整備費。
投資方針からも原発への固執が浮かぶ。”


核保有国
日本政府
”Black lives matter”のように、我々国民はもっと声を上げなければ、
彼等は変わらない――――

とにもかくにも、次の選挙で
私たちは自民公明政権に「No !」を突き付けないと未来はない、と
覚悟しましょう。


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今回も、浜省公式の映像による
「愛の世代の前に」をお送りいたします。
核兵器の実験、戦争、被爆してやけどを負った人などの
衝撃映像が連続しますが、これも紛れもない現実です。
目を伏せずにご覧ください。
(ホントはDVD『On The Road 2011 ”The Last Weekend” 』の映像をご紹介したいのですが・・・)

愛の世代の前に (2010 DVD ”僕と彼女と週末に”)





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また 2021年8月8日付訪問者数:107名様、
どうもありがとうございました。

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