(小田和正のご当地紀行の感じで)
やぁってまいりましたぁ~。
今日は映画を観ようと思って、ちょっと遠出をしております。
どこかと申しますとぉ、
池袋から急行で30分、埼玉県は川越市であります。
まず川越駅で下車すると、こんな看板がお出迎え。
中心部に向かうメインストリート「クレアモール」を北上してゆくと、桜がさいていた。
東京よりも咲くのが遅いかな…?
途中でランチを取ろうと思うのだが、いろいろあって迷う。
そんな中、いいカフェを見つけた。
お店の名は「R-Baker」という。
http://ameblo.jp/radio-reporter/entry-12232989466.html
https://www.facebook.com/RBakerkawagoe/
とにかく女子中心の店員が元気だ。
商品紹介のたび「いかがでしょうか~!」と店員が叫ぶと、
ほかの店員たちもレスポンスで「いかがでしょうか~!」と続く。
良い雰囲気ではあるが、店頭に立てるスタッフは20代じゃないとねえ……
本川越駅を過ぎてもっと奥に行っても、また別にいい雰囲気のお店があった…
まあ、また今度か。
街中桜がきれいだった。
この雨で、もうこの土日が最期の見ごろだろう。
奥に行くたび、味わいのある家がまだまだある。
やがて時の鐘を通ってゆくと、
いよいよ目的地の「川越スカラ座」だ。
そう、話題作だった「この世界の片隅に」だ。
(今回で自分の鑑賞は5回目です)
すずさんのありがとう
さすがに多くの劇場では上映が終わってしまっているが、
ここではまだ14日(金曜)まで観られるのだ。
今年1月の公開時ではこの劇場の入場者数を更新するほどのヒットとなったそうだ。
今回初めて「日本語字幕つき」を体験した。
耳の聞こえにくい方への配慮もされているのは素晴らしいし、
周作が初夜のふとんでつぶやいていた歌が「野ばら」だったことに気付いたし、
聴きとりにくかったラジオの内容がはっきりわかった。
内容は改めて昭和初期の生活やそれを引き裂く戦争の恐ろしさと愚かさ、
そしてそれを乗り越えてきたすずさんや北條家の人々に一喜一憂し、
そしてラストの呉の町に灯る家々の灯りや
エンドテーマ「たんぽぽ」が流れる新しい暮らしのイラストに胸が熱くなった。
今回改めて思ったのはまず隣組(ご近所)の刈谷さんと、召集された最後に残された彼女の息子のこと。
1945(昭和20)年8月6日に広島に原爆が落とされて、
翌日呉の隣保館(集会所)に黒焦げで行き倒れてる人影があった。
それが刈谷さんの息子だった。
彼は母を思って重体の身になりながら呉まで歩いて(!!)、隣保館で力尽きたのだ。
それを思うと泣けて泣けてたまらなくなると同時に、
そんな庶民を戦争に駆り立てた当時の政府や軍隊・同調論者(今なら櫻井よしこ、百田尚樹等)に限りない怒りを感じるのだ。
そして、原作とアニメの大きな違い。
遊郭のリンさんとすずが初めて出会ったのはお互いが成人してからではなく、
実は幼年のすずが見たスイカを食べてた「座敷わらし」がリンだったこと。
彼女は幼い頃から不幸な境遇で困窮した家庭のため成金の家に売られてしまい、乱暴な子供から逃げてきていた。
そして呉の遊郭の女性に拾われ、ここで根を下ろしたようだ。
原作ではそんなリンと周作(すずの夫)が関係を持っていたことが、映画では省略されていた。
でも、それで良かったと思う。
北條家で何かにつけ当たっていた径子のため彼女の居場所として大切な存在である周作が
(結婚前とはいえ)リンと関係があったと思った心情はさぞ辛かっただろうし、
右手を失う前に離縁してしまった可能性もあっただろう。
また、敗戦後も鎮守府に戻る周作をすずが送り届けての別れ際、映画で彼は名ゼリフを言った。
「わしゃあ絶対帰るけぇ、すずさんのところへのぉ!」
原作では古傷を探られるのを嫌がるように、焼けた遊郭の場所をぶっきらぼうに言って去ったのとは雲泥の差で、
映画版周作の好感度が一気に高まった。
海外での上映も決定しまして、こんな予告編ができています。
In This Corner of the World Trailer
今改めて思うのだが、
この作品は「二十四の瞳」を制作した「松竹」が配給しても良かったのではないか?
なんだよ、「松竹」の近年の軟派ものやハリウッドまがいの作品群は・・・・
(でも、クラウドファンディングや口コミで人気沸騰して結果につながったから、
今の「テアトル東京」で結果オーライなのかも)
あと、よかったらこのブログも読んでみて下さい。 お勧めです。
「Neutral football」
2016.12.29「居場所の物語~この世界の片隅に・最後の考察」
http://neutralfootball.hatenablog.com/entry/2016/12/29/233959
まだご覧になってない方、そろそろ劇場鑑賞は限られてきたかもしれません。が、
足を延ばして観る価値はある、と思います。
ちなみに、「川越スカラ座」ホームページは
http://k-scalaza.com/
(P.S.:上映は14日で終了しました……が、
8月12日土曜日~18日金曜日までの7日間に再上映が決定致しました!
また行こうかなあ……)
-----------------------------------
劇場を出たら、また桜をたどりながら街を歩いた。
旧市民会館、現在は中規模のやまぶき会館のみの運営です。
渋いですね。
蓮馨寺(れんけいじ)ですね。
どこかほっとする街・川越でした。
しかし、横浜との直通電車ができたせいか、けっこう観光客がいましたねえ。
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あと、今夜からこの「川越」を舞台とするテレビアニメが始まった。
「月がきれい」と言います。
TVアニメ「月がきれい」番宣PV
やぁってまいりましたぁ~。
今日は映画を観ようと思って、ちょっと遠出をしております。
どこかと申しますとぉ、
池袋から急行で30分、埼玉県は川越市であります。
まず川越駅で下車すると、こんな看板がお出迎え。
中心部に向かうメインストリート「クレアモール」を北上してゆくと、桜がさいていた。
東京よりも咲くのが遅いかな…?
途中でランチを取ろうと思うのだが、いろいろあって迷う。
そんな中、いいカフェを見つけた。
お店の名は「R-Baker」という。
http://ameblo.jp/radio-reporter/entry-12232989466.html
https://www.facebook.com/RBakerkawagoe/
とにかく女子中心の店員が元気だ。
商品紹介のたび「いかがでしょうか~!」と店員が叫ぶと、
ほかの店員たちもレスポンスで「いかがでしょうか~!」と続く。
良い雰囲気ではあるが、店頭に立てるスタッフは20代じゃないとねえ……
本川越駅を過ぎてもっと奥に行っても、また別にいい雰囲気のお店があった…
まあ、また今度か。
街中桜がきれいだった。
この雨で、もうこの土日が最期の見ごろだろう。
奥に行くたび、味わいのある家がまだまだある。
やがて時の鐘を通ってゆくと、
いよいよ目的地の「川越スカラ座」だ。
そう、話題作だった「この世界の片隅に」だ。
(今回で自分の鑑賞は5回目です)
すずさんのありがとう
さすがに多くの劇場では上映が終わってしまっているが、
ここではまだ14日(金曜)まで観られるのだ。
今年1月の公開時ではこの劇場の入場者数を更新するほどのヒットとなったそうだ。
今回初めて「日本語字幕つき」を体験した。
耳の聞こえにくい方への配慮もされているのは素晴らしいし、
周作が初夜のふとんでつぶやいていた歌が「野ばら」だったことに気付いたし、
聴きとりにくかったラジオの内容がはっきりわかった。
内容は改めて昭和初期の生活やそれを引き裂く戦争の恐ろしさと愚かさ、
そしてそれを乗り越えてきたすずさんや北條家の人々に一喜一憂し、
そしてラストの呉の町に灯る家々の灯りや
エンドテーマ「たんぽぽ」が流れる新しい暮らしのイラストに胸が熱くなった。
今回改めて思ったのはまず隣組(ご近所)の刈谷さんと、召集された最後に残された彼女の息子のこと。
1945(昭和20)年8月6日に広島に原爆が落とされて、
翌日呉の隣保館(集会所)に黒焦げで行き倒れてる人影があった。
それが刈谷さんの息子だった。
彼は母を思って重体の身になりながら呉まで歩いて(!!)、隣保館で力尽きたのだ。
それを思うと泣けて泣けてたまらなくなると同時に、
そんな庶民を戦争に駆り立てた当時の政府や軍隊・同調論者(今なら櫻井よしこ、百田尚樹等)に限りない怒りを感じるのだ。
そして、原作とアニメの大きな違い。
遊郭のリンさんとすずが初めて出会ったのはお互いが成人してからではなく、
実は幼年のすずが見たスイカを食べてた「座敷わらし」がリンだったこと。
彼女は幼い頃から不幸な境遇で困窮した家庭のため成金の家に売られてしまい、乱暴な子供から逃げてきていた。
そして呉の遊郭の女性に拾われ、ここで根を下ろしたようだ。
原作ではそんなリンと周作(すずの夫)が関係を持っていたことが、映画では省略されていた。
でも、それで良かったと思う。
北條家で何かにつけ当たっていた径子のため彼女の居場所として大切な存在である周作が
(結婚前とはいえ)リンと関係があったと思った心情はさぞ辛かっただろうし、
右手を失う前に離縁してしまった可能性もあっただろう。
また、敗戦後も鎮守府に戻る周作をすずが送り届けての別れ際、映画で彼は名ゼリフを言った。
「わしゃあ絶対帰るけぇ、すずさんのところへのぉ!」
原作では古傷を探られるのを嫌がるように、焼けた遊郭の場所をぶっきらぼうに言って去ったのとは雲泥の差で、
映画版周作の好感度が一気に高まった。
海外での上映も決定しまして、こんな予告編ができています。
In This Corner of the World Trailer
今改めて思うのだが、
この作品は「二十四の瞳」を制作した「松竹」が配給しても良かったのではないか?
なんだよ、「松竹」の近年の軟派ものやハリウッドまがいの作品群は・・・・
(でも、クラウドファンディングや口コミで人気沸騰して結果につながったから、
今の「テアトル東京」で結果オーライなのかも)
あと、よかったらこのブログも読んでみて下さい。 お勧めです。
「Neutral football」
2016.12.29「居場所の物語~この世界の片隅に・最後の考察」
http://neutralfootball.hatenablog.com/entry/2016/12/29/233959
まだご覧になってない方、そろそろ劇場鑑賞は限られてきたかもしれません。が、
足を延ばして観る価値はある、と思います。
ちなみに、「川越スカラ座」ホームページは
http://k-scalaza.com/
(P.S.:上映は14日で終了しました……が、
8月12日土曜日~18日金曜日までの7日間に再上映が決定致しました!
また行こうかなあ……)
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劇場を出たら、また桜をたどりながら街を歩いた。
旧市民会館、現在は中規模のやまぶき会館のみの運営です。
渋いですね。
蓮馨寺(れんけいじ)ですね。
どこかほっとする街・川越でした。
しかし、横浜との直通電車ができたせいか、けっこう観光客がいましたねえ。
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あと、今夜からこの「川越」を舞台とするテレビアニメが始まった。
「月がきれい」と言います。
TVアニメ「月がきれい」番宣PV