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とある雨の降る夕方、宿泊している建物の玄関先に、その小さな命がたたずんでいた。
たたずんでいた、というよりは、空腹なのか寒さなのか、小さく、とても小さく丸くなって玄関先にいた。
おそらく野良であろう、薄茶色と白のまだら模様の子犬。
体長は約25cmくらいだろうか。
普通に寝ているようにも見えるし、空腹のあまりに動けなくなっているようにも見える。
別の宿泊客がいそいそとなにやら飲み物を準備していた。
「同僚が、「側溝のなかにいたから・・・」と、持ってきたらしいんですよ」
って、用意した飲み物ってコーヒー牛乳かよ!!
せめて牛乳でしょw
とはいえ、そばにあるのは自動販売機、しかも牛乳なんてあるワケがない。
ん~・・・唯一使えそうなのは「おいしい水」くらい。
それを買って、容器に入れ替えてみた。
自分では飲む気力もないのか、まるで口をつけようともしない。
指につけて口元に「ちょん」とつけてみるとペロペロなめてはくれたので、ハラは減っているのだろう。
こういうのを見ると、どうもいかん。
中学が小学生の頃ならまず持って帰ってしまう。
そして親に「捨ててきなさい!!」と怒られる。
ところが今回はオッサンでもある。
しかも出張中の身だ。
ソーセージでもあればあげたいところだが、今回は何も持ってはいない。
・・・普通持ってないわなw
なぜ側溝に?
一匹だけ?
母親がいるんじゃないのか?
育児放棄されたのか?
こう考え出すととまらない。
でもどうしても持って帰るワケにはいかない。
でも気になる。
どうしようもない葛藤。
そうするうち、切ない鳴き声で母親らしい成犬が歩き去っていく後ろ姿がちらっと見えた。
抱きかかえて母親のところに行こうにも、姿はすぐに見えなくなってしまった。
その母親らしき姿を見た現場まで歩いてみると、隣の建物のカドの部分にもう一匹いたのだ。
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昼間はうだるくらい暑かったが夕方からの雨により気温は下がり、体温調節がうまくできない子犬には寒いのかも知れない。
少しはおさまったが、まだパラパラ降ってはいる。
よく見ると小刻みにふるえているようにも見えた。
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一匹だけでも苦悩するのに2匹目かいっ!!!
抱きしめてみたい衝動を必死にこらえた。
純粋な野生の野良犬などは、人間の匂いがついてると、我が子でも噛み殺すという例がないワケではない。
ここは自然のままが一番なのだと言い聞かせ、触るのをガマンし、少し考えてみた。
「あぁ、ここに母親といたのかも知れない。」
なら、ここに連れてくればは母親が見つけるんじゃないか?
と、連れてきてみた。1匹よりも2匹だ。
そしてしばらくその場を離れた。
1~2時間後に再びその場を訪れてみると1匹いない。
あの最初に見つけた、茶色の方が。
黒いのだけ、その建物のカドにいた。
「今度はこっちを育児放棄かいっ!」
と付近をうろうろと探してみた。
そこから道を挟んですぐ反対の側溝の貯め州?の部分に親子はいた。
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雨が降っていたというのにそこにいたということは、おそらくここに水は流れてこないのだろう。
見てみれば、流れてきた土や葉っぱなどで、それ以上に流れる心配もなさそうだ。
しかも人目に触れないし、壊れる心配もない。
上からの雨は避けようがないが・・・
母親の乳にありつけたのか、茶色の子犬はその中でトコトコと動き回っていた。
少し安心である。
ならばと、黒い方の子犬も連れて来てみよう。
母親だろう。ちゃんと育ててあげてよ。
という願いをこめて連れてきた。
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生まれたてだと母親は警戒して凶暴になると心配していたが、ヒトに慣れているのか、黒い子犬を差し出しても唸り声ひとつあげなかった。
こでれひと安心だ。
どうにか2匹とも母親の元に戻せた。
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そして翌朝、次の出張の地へ出発する直前、偶然にも母親が近くの道をトコトコ歩いているのを見た。
口にはあの茶色の子犬をくわえて。
引っ越し?
他にいい場所があったのだろうか。
そうであることを願いたい。
ん?黒い方の子犬は?
先に運んだのか後で運ぶのかまでは、もう解らない。
せめて、2匹とも無事に育ってほしいと願い、その地を後にした。
あくまでも野良なので、予防接種も受けてなければどんな病原菌をもっているかもわからない。
そういう野良犬の繁殖を願うのは大人として喜ばしくないのかも知れないが、あの小さな命に罪はない。
たたずんでいた、というよりは、空腹なのか寒さなのか、小さく、とても小さく丸くなって玄関先にいた。
おそらく野良であろう、薄茶色と白のまだら模様の子犬。
体長は約25cmくらいだろうか。
普通に寝ているようにも見えるし、空腹のあまりに動けなくなっているようにも見える。
別の宿泊客がいそいそとなにやら飲み物を準備していた。
「同僚が、「側溝のなかにいたから・・・」と、持ってきたらしいんですよ」
って、用意した飲み物ってコーヒー牛乳かよ!!
せめて牛乳でしょw
とはいえ、そばにあるのは自動販売機、しかも牛乳なんてあるワケがない。
ん~・・・唯一使えそうなのは「おいしい水」くらい。
それを買って、容器に入れ替えてみた。
自分では飲む気力もないのか、まるで口をつけようともしない。
指につけて口元に「ちょん」とつけてみるとペロペロなめてはくれたので、ハラは減っているのだろう。
こういうのを見ると、どうもいかん。
中学が小学生の頃ならまず持って帰ってしまう。
そして親に「捨ててきなさい!!」と怒られる。
ところが今回はオッサンでもある。
しかも出張中の身だ。
ソーセージでもあればあげたいところだが、今回は何も持ってはいない。
・・・普通持ってないわなw
なぜ側溝に?
一匹だけ?
母親がいるんじゃないのか?
育児放棄されたのか?
こう考え出すととまらない。
でもどうしても持って帰るワケにはいかない。
でも気になる。
どうしようもない葛藤。
そうするうち、切ない鳴き声で母親らしい成犬が歩き去っていく後ろ姿がちらっと見えた。
抱きかかえて母親のところに行こうにも、姿はすぐに見えなくなってしまった。
その母親らしき姿を見た現場まで歩いてみると、隣の建物のカドの部分にもう一匹いたのだ。
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昼間はうだるくらい暑かったが夕方からの雨により気温は下がり、体温調節がうまくできない子犬には寒いのかも知れない。
少しはおさまったが、まだパラパラ降ってはいる。
よく見ると小刻みにふるえているようにも見えた。
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一匹だけでも苦悩するのに2匹目かいっ!!!
抱きしめてみたい衝動を必死にこらえた。
純粋な野生の野良犬などは、人間の匂いがついてると、我が子でも噛み殺すという例がないワケではない。
ここは自然のままが一番なのだと言い聞かせ、触るのをガマンし、少し考えてみた。
「あぁ、ここに母親といたのかも知れない。」
なら、ここに連れてくればは母親が見つけるんじゃないか?
と、連れてきてみた。1匹よりも2匹だ。
そしてしばらくその場を離れた。
1~2時間後に再びその場を訪れてみると1匹いない。
あの最初に見つけた、茶色の方が。
黒いのだけ、その建物のカドにいた。
「今度はこっちを育児放棄かいっ!」
と付近をうろうろと探してみた。
そこから道を挟んですぐ反対の側溝の貯め州?の部分に親子はいた。
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雨が降っていたというのにそこにいたということは、おそらくここに水は流れてこないのだろう。
見てみれば、流れてきた土や葉っぱなどで、それ以上に流れる心配もなさそうだ。
しかも人目に触れないし、壊れる心配もない。
上からの雨は避けようがないが・・・
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母親の乳にありつけたのか、茶色の子犬はその中でトコトコと動き回っていた。
少し安心である。
ならばと、黒い方の子犬も連れて来てみよう。
母親だろう。ちゃんと育ててあげてよ。
という願いをこめて連れてきた。
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生まれたてだと母親は警戒して凶暴になると心配していたが、ヒトに慣れているのか、黒い子犬を差し出しても唸り声ひとつあげなかった。
こでれひと安心だ。
どうにか2匹とも母親の元に戻せた。
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そして翌朝、次の出張の地へ出発する直前、偶然にも母親が近くの道をトコトコ歩いているのを見た。
口にはあの茶色の子犬をくわえて。
引っ越し?
他にいい場所があったのだろうか。
そうであることを願いたい。
ん?黒い方の子犬は?
先に運んだのか後で運ぶのかまでは、もう解らない。
せめて、2匹とも無事に育ってほしいと願い、その地を後にした。
あくまでも野良なので、予防接種も受けてなければどんな病原菌をもっているかもわからない。
そういう野良犬の繁殖を願うのは大人として喜ばしくないのかも知れないが、あの小さな命に罪はない。