風という名前をつけてあげました
それから彼をみないのですが
内臓のひとつが桃であることの
かなしみ抱いて一夜を明かす
からすうりみたいな歌をうたうから
すごい色になるまでうたうから
「笹井宏之」
笹井宏之さんは、佐賀県の歌人。
幻想的で不思議な歌が多い。
一度読んだだけなのに、
頭の中から離れない、そんな歌が
多い。
将来を期待されていたけれど、
残念ながら、26歳で逝去された。
自分が何かに囚われて、身動きが
出来ないと感じる時、読み返したくなる歌集
「ひとさらい」
透明な風になれそうな錯覚をくれる。