昼は海夜は銀河へ開く窓
寒昴死者も生者も眠らせて
大南風吾に翼のごときもの
漂ひてクジラの歌を聴く海月
屋根の上オリオンの待つ我が家かな
冬銀河影絵のように眠る街
「興梠みさ子」
興梠みさ子さんは、福岡県の俳人。
独学で俳句を学び、NHKに投句され
数々の賞を受賞。
けれど、希少がんに罹患、逝去された。
闘病中においても創作を続け、
「海からの風」「律の調」という
句集を残された。
興梠さんの作品で好きな句は
多々有るけれど、その中で、
特に視点が広いというか、
俯瞰的というか、
壮大な句が心に残る。
17音で宇宙をこんなにも
身近に感じさせることが
できるなんて。
感嘆する。
興梠さん、ありがとうございました。