(神代植物公園のムクゲ 7月5日撮影)
私の履歴書・仕事編ということでお話させて頂いていますが、今日は仕事から離れて、軽い話というか甘い物のお話です。
愛知から信州へとまあ田舎暮らしの20年ちょっとで、関東の川崎の会社に入社したのですが、川崎とは言え、私のとっては上京したのと同じ、完全はお上りさんだったわけです。
ということで、関東に来ての楽しみはやはり東京観光と食べ物でしたが、実際は、休日に横浜駅周辺でお茶をする程度で、会社の寮の食事で満足しているレベルでした。
そんな日々の生活の中で、私にとってはビックリすることが起こりました。それは「マロングラッセ」でした。
そうなんです。上京して初めて知った洋菓子がマロングラッセでした。
会社でのことでした。お客さんが持ってきてくれたお菓子が、昼食後の休憩時間にお茶とともに配られました。濃い茶色の丸い得体のしれない代物でした。「何ですかこれ?」「あら!知らないの、マロングラッセよ!」。それが、栗で出来た洋菓子であることを庶務の岩崎さんが優しく教えてくれました。もちろん知らないのは私だけでした。
下戸で甘党の私、そのお菓子は、まさに初めての味、大げさでなくこの世の物とは思えない美味しさでした。『やはり東京は(川崎ですが)違う!こんな美味しいものがあるんだ!』と思いました。
まさに、衝撃の出来事でした。以来、美味しいものはいろいろ食べているはずですが、この時感じた美味しさを超える美味しさをいまだ感じていません。
まあ、貧乏学生時代を過ごして、ともかく味よりおなかを満たすことしか考えていなかったので、そんな生活でつくられた舌には、強烈な印象を残したのでしょうね。
と、熱っぽく話す話でもありませんが、マロングラッセの思い出でした。
それと、甘い物といえば、思いだすのは「東照の饅頭」です。川崎に東照という和菓子屋さんがあるのですが、そこの紅白の饅頭が正月明けの出勤日当時、会社からもらえたのです。
甘党の私には、特別にうれしい正月のお年玉でした。もっとも、入社翌年にはオイルショックがあり、2年ほどでこの正月のお年玉はなくなってしまいました。今年はなし、と知ったときはがっかりでしたね。こんことでもよく覚えています。
ちなみにネットで調べると、東照の饅頭、東照は今もありますが、饅頭は売っていないようです。川崎は、お大師さんによくお参りに行っています。一度東照にも寄ってみようと思っていたのですが、饅頭がないのは残念です。
と、あまりに軽い話で大変失礼しました。ただ、新人時代での良き思い出です。
(新入社員時代:つづく)