(神代植物公園のムクゲ 7月5日撮影)
資材部、ご紹介しているように会社で使用する物を購入する部署です。つまりは納入先から見れば、「お客様」ということになります。
ということで、資材部といえば必ず付いてくるのが「接待」です。
営業部門と違って、待っていれば、向こうからきてくれますので外出は少ないのですが、どうしても出かけなくてはすまない事態もあるので、取引先に出かけることもあるのですが、終わった後は必ず「この後どうでしょう?」と声がかかります。そうです、「お食事でも?」というわけです。
会社にいる時でも、夕方にやってきて、打合せが終わると、「もう仕事が終わりですよね。この後どうです?」と誘われることも時々あります。
いわゆる高度成長期、こんな接待は当たり前でした。
また、若造の私でも、当たり前のようにありました。私一人の時は、居酒屋程度の場所でしたが、上司と一緒の時はグッとランクが上がります。いわゆる「料亭」となるわけです。綺麗なお姉さんが隣に、とドギマギすることも、というわけです。
接待されたから、交渉で甘くするということはないのですが、ある種取引先との意思疎通の会というわけです。個人的にも仲の良い営業マンも数人です出来ました。入院されたといった話を聞いたときは、見舞いに行ったこともあります。
接待と同じように、お中元とお歳暮の時期の贈答品も結構来ました。困るのは独身寮なので、寮の仲間に知られてしまうことです。仕方なく、食料品は仲間にもおすそ分けをしていました。ワイシャツのお仕立券なども来て、生意気にもデパートで作ってもらって着てました。
接待は今でもあるでしょうが、贈答品は禁止、というか「しない」というのが最近の企業の姿勢になっているのかと思います。古き良き時代の習慣だったわけです。
接待や贈答品が当たり前、ということでそうなったわけではないでしょうが、やはり買う立場で、取引先からは丁寧な対応を受けていると、それが当たり前と思ってしまったようです。その後、色々な仕事の経験をすることで気が付く時が来るのですが、ずいぶん生意気な若造が出来上がっていたようです。
ある日、外出から帰ってくると、会議室に呼ばれたのです。そこには他部署の課長が興奮した顔で座っていたのです。どんなことだったのか全く覚えていませんが、質問を受けて答えたのですが、「君の部下は生意気だ!」といきなり私の課長が怒られたのです。課長がかばってくれて、その場は済んだのですが、ついつい、取引先とのやり取りが身についていたようです。
本社資材部での金属材料の担当は3年ほどでした。怖い部長は私にはずいぶん期待してくれていたようです。別の経験をということだったのだと思います。「君の部下は生意気だ!」事件から間もなくして、少し地味は仕事も、ということだったのだと思います。担当替えになりました。
(次回、担当替えに続く)