キムラトモミの絵と版画 制作ノート

日常の中の非日常、目に見えない大切なものを
少しでも形にしたくて制作しています。猫のいるこの世界が好きです

おうまさん

2013年10月18日 | 作品
お世話になっているgalleryさまにお馬さんのイラストを描く機会を
頂いて、どんな絵にしようか試行錯誤で悩んでおりました。
和風の流鏑馬をおしゃれに描いたらカッコいいかな。なんて思って
馬好きの友人に大量に写真集を借りて何枚も練習したり
でも、しっくりこなくて
ぱたっと急に描けなくなったり
期待にこたえたいのに、妙にプレッシャーを感じて
(自分の気持ちは自分の心や行動で決まるのでしょう)
ちっぽけな自分に
立ち位置を見失い
それでも踏ん張って立っている。私。

自由な絵を描いて、見て下さる方のこころを弾ませたい。
そんな理想は胸にこみ上げるのだけど。
そんな時、棟方志功さんの展覧会に行き
肉筆の襖絵の自由さ、大胆さ、力強さに感動し
板画(彼は版画をこう呼んだ)の祈りが込められた勢いと丹念さ
相反するものが融合した生命力に感動しまして

私も、下手なりに伸びやかさで描こうと何枚も下絵を描きました。
描きながら悩み育て、もう少しで完成予定です。
気に行って頂けたら最高なのですが


読書メモ
速水御舟さん
「私はかつて宗教的観念からヒントを得て、その神秘感を絵画に表現すべく
随分モチーヴを尋ね回ってみたことがあった。夜の寂寞たく大地の底から
秘かに曙の微動は巡り、み空には明星の一群が美しく煌めいていた。
私は夜明け前の上野不忍池畔にただ一人佇んで清浄な蓮の開花の音も聞いたが
、しかし自分が求めたような、自然の秘奥にある無限の深さをもった美は把握
できなかった。
それから数年後に一つの花の写生を克明にしてみて、初めてかかる微小なものにさえ
深い美が蔵されていることを発見して秘かに感嘆した。
げに絵画こそは、概念から出ものにあらずして、認識の深奥から情熱が燃え上がって
初めて造り得らるる永遠に美しき生命の花であろう」



鼻血と私

2013年10月10日 | 作品
9月の総括

A公募で紛失された作品について
落選後買い取りの通知。かなしみのダブルパンチ
何故落選したのか?イマジネーションを充分に表現できなかったからかな。
来年もきっと挑戦します。

B公募に向けて
東京の美術館にあるアトリエで制作するため夜行バスで向かう
早朝、新宿に到着。不眠とのぼせのせいかものすごい量の鼻血
ティシュを詰めアトリエへ向かい、必死の制作

大きなプレス機、いろんな色のインク、工房の説明を丁寧にしてくれるスタッフの方

今日の今から約7時間で、2作品を作り上げたい!
下絵は昨日自宅で描いていた。
版画用紙にもコラージュを仕込んできた。
あとはドライポイントとエッチング、コラグラフでパーツを作って
刷って 水張りして 額装して・・・・
頭では予定だてているのに、時間が足りない(泣)
無謀すぎる計画??

工房内には、黙々と作業をする作家さんで活気づいていた。
何とか時間ぎりぎりまで作業し、2作品を仕上げることが出来ました。

工房で声を掛けて頂いた作家の皆さま
後日、忘れ物(手帳)を送ってくださった美術館の方
美味しいご飯を作って待っていてくれた友人
妹の家族に感謝です。

落選という結果になってしまったけれど、作品を気に行ったと
ご連絡頂き、お買い上げくださった方。
こころより感謝いたします。

いろんな人に生かされて、作品づくりに没頭できる幸せ

あの時の鼻血、私らしい身体症状。
帰宅後ダウンしてしまったけれど
抜け毛も増えて
銀歯も抜けて
ぼろぼろの私ですが

これからもがんばります!

今日から作品展です。
少しでも自分の仕事が誰かの何かに役に立てればいいですが。