天空海闊

海蛍

いつの間にか日が沈み

暗く穏やかになった

波打ち際で

かすかな淡い光が

潮が引くごとに

ポツリとあらわれた

それは波の中でも

小さく揺らめいている

海辺の直ぐ向こうでは

火煙と共に歓声が上がる

だが お前たちには

気づかないようだ

誰のために光っているんだ

それほどまでに ひっそりと

お前たちも

過ぎ行く夏を惜しんでいるのか
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