百日紅
手ぬぐいで汗を拭くが 背中までびっしょりである 雑草をひき 砂利を敷き ひと段落したところで ゴロゴロと鳴り始め ポロリと雫が落ちてきた わたしは玄関ポーチに入り ...
挽歌
建設業を営む親父は 用心棒を雇っていた。 侠客くずれに 耳のつぶれた元ボクサー 柔道の猛者もいれば 大男で怪力の持ち主や 小太刀の使い手・・・ いづれも その界隈で...
備えあれば
乾季に雨季に備え、 雨季に乾季に備える。 これは現実的で 賢い投資であり、 一見 無駄に思えるこ...
挽歌
(続き) 当初、車の運転手として 雇われた男は プロレスラー並みの体と 威勢の良い声で 周りを威圧していた。 大きく張った胸元を見せびらかすように シャツの前を常に肌...
挽歌
あれ以来、Tの横暴さは影をひそめ 職場の雰囲気も変わった。 今度はNたち数人のグループが 現場を仕切るようになった。 バブル初期の当時、飲み屋街も繁盛しており N氏も御多...
連想
孫と遊ぶのが これほど楽しみになるとは 夢にも想わなかった。 責任が軽くなったからなのか? 良くわからない。 ボールと滑り台で遊んでいる最中、 わたしを見ながら思い出し...
異変
いつもの坂道 秋風が心地よいが 何かが足りない 毎年咲いていた彼岸花がこの時期にないのは初めてである 坂の道端には ...