◯ やっと
人を色分けして
「殺し合う」世界にも
季節が巡り来て
○ 暑い
夕立もない
○ やるせない
あどけない顔
合掌…
様々な皺寄せは常に幼い者に
○ 梅ジュース
庭のアバタの入った梅で
○ ひな祭り
なによりうれしい…
季節の情緒にゆったり浸る時
*大好きな作詩家であるサトウハチローさんには、多くの名作があり「リンゴの唄」「ちいさい秋みつけた」などがあります。曲の付いていない名詩も沢山ありますが、徐々に死語の世界になりつつあります。
それでも、その貴重な内面世界は、世代を超えて輝き続けて欲しいものです。
○ 梅
○ ….
家族其々の気持ちを思うと、
涙しか出ない…
どんなに著名な
立派な言葉よりも
この父親の姿こそ
人生最奥の大切なものを
教えてくれている
○ 新春
を申し上げます
○ 春遠からず?
それ故、我等迷える兄弟には
仲たがいのうちにあっても
愛は可能である
裁きと憎しみでなくて、
辛抱強い愛が
愛する忍耐が
我等を神聖な目標に近づける
ヘルマン•ヘッセ
○ 風情
周りでは最近少なくなり
風が運んできた香りの源
○ この秋に想う
「戦争の四年目に」
ヘルマン•ヘッセ
夕ぐれが寒く、ものがなしく、
雨がざあざあと降っている
しかし私はこんな時にも自分の歌を歌う。
誰が聴きいてくれるかは知らないが
世界は戦争と不安とに窒息している
しかし誰が気づかなくても、
愛の火はここかしこで
ひそやかに燃えつづけている
「過ぎてゆく」
クリスティーナ•ロセッティ
過ぎてゆくのだ(こう、世界がいった)過ぎてゆくのだ
幸運も、美わしさも、若さも、日ごとに衰えてゆくものなのだ
おまえの生命も、決してひとつのところにとどまってはいないのだ
栄光のしるしである月桂樹を見たことも
かむったこともないままに、
おまえの目は朦朧とかすんできたではないか、黒髪も白くなったではないか?
おれのほうは、春になれば新しい衣装をつけ、五月になれば芽ぐむのだ
だが、おまえは、根のところが傷んでるので、おれの胸ふところにおりながら、
とこしえに、おまえの衰えからたちなおることができないのだ
―そこで、わたしは答えた
「はい、そうです」
比類なきセシルのAutumn Leaves
○ 中秋
あなたはなほも語るでせう、
よしないことや拗言や、
洩らさず私は聴くでせう、
——けれど漕ぐ手はやめないで。
○ 雨量
道普請にて
年間雨量は大差ないが
この辺りはずっと乾いている
ということは
台風等で調整か?
○ 魂のプロセス
ユーモアに富み
活力にあふれ
何事にも果敢に挑んだYさん
いろいろな難儀も
その強い意志を砕くことは
なかったが
持病と年齢は確実に
命を一枚一枚剥いでいった
食がどんどん細り
食べるものが限定されてきたが
それでもトレイを見て何かを口にした
それは生きることを諦めない
精神力の象徴であった、が
遂にその時がきた
出されたトレイを
じっと数分間見つめていたが
目を閉じ口をグッと閉じながら
トレイを前方にゆっくり押したのだ
何も語らず
その覚悟を決めた瞬間であった
「喪失」は
不死や超人では得られない
今生の最大の学びの一つである
弱さに意味がある
我々が、平穏の世界を離れて
敢えてこの不穏な世界に来た理由
知識だけの学びはたかが知れたもの
日々の楽しみなども言わずもがな
魂としての蓄積に喪失は不可欠なのだ
○ 季節
ひとり野原に出ると
虫たちの合唱が聞こえた
人間世界の儚い夢を他所に
自然は確実に時を刻んでいる
○ シーズン
○ 変節
プリコジン氏死亡
○ 結局は
来るんか
○ 自然
潤いがないと
枯れてしまう
○ 少年期
やっと光が射し
夢を具現化できる力を得て
自在に空を滑空する鳥のような
黄金前期に至る
地中のマグマが暴く
最大の試練…
予測を越えた哀しみと
暗黒期を経て
…..
イデオロギーが
出尽くし、
夢と現実の狭間で
混沌と葛藤が
やがて絶頂に向かう
○ ペルソナ時代
寄ってらっしゃい
見てらっしゃい
わたしは善い人
正義の味方
平和で愉快な
専門家
時には
おちゃらけ
怖がらせ
よりどりみどりの
顔を付けた
我等はいったい
だれでしょう
災難災厄
それを剥ぐも
更なる仮面を
どうぞ
どうぞ
酔ってらっしゃい
付けてらっしゃい
さぁ
これまでも
さぁ
これからも
○ 謹賀新年
本年も宜しくお願いします!