編集中
少し休憩…
お茶しませんか
○ 余韻
ある夜のこと、私は私の前を私と同じように提灯なしで歩いてゆく一人の男があるのに気がついた。それは突然その家の前の明るみのなかへ姿を現わしたのだった。男は明るみを背にしてだんだん闇のなかへはいって行ってしまった。
私はそれを一種異様な感動を持って眺めていた。それは、あらわに言ってみれば、「自分もしばらくすればあの男のように闇のなかへ消えてゆくのだ。誰かがここに立って見ていればやはりあんなふうに消えてゆくのであろう」という感動なのであったが、消えてゆく男の姿はそんなにも感情的であった。
梶井基次郎 「闇の絵巻」より
○ 梅雨空
そこでは 花崗岩の柱を這い登る蔓薔薇のまわりに様々な草花やハーブ類がもつれあって生えている。
この花たちは風の脅威にさらされ 雷雨が来るたびに フェーンの吹くたびに 私は心配で震えねばならないが それでもやはりその場所に花を植えた。
花は好ましく ここに来ればいつでも彼らに会えるからだ。
ヘッセ 「庭でのひととき」より
私はあなた方の世界から追われ、誇りに育てられ、誇りに欺かれた。私は、国のない王さまだ。
私は無言の情熱だ。家ではかまどがなく、戦争では剣を持たない。自分の力のために病んでいる。
ヘッセ 「私は星だ」より
○ ソフト&ソフト
○ ヘッセを読みながら
「究極の生命」
ふだん、ぼくといっしょに歩いたり話したりするときの彼は、彼の半身にすぎない。..しかし本物のデーミアンはこんなふうなのだ。石で造られていて、ものすごく古くて、動物的で、岩のようで、美しく冷たく、死んでいて、しかもひそかに、まだ一度もなかったほどの生命に満ちあふれている。そして彼の周囲にあるものは、この静かな空虚、このエーテルと輝く星空、この孤独な死なのだ。
デーミアンより
一生涯さえ凌駕する、ほんの数分…
膨大な宇宙的知識よりも、遥かに
死を超え、生命の究極の意味を知る
夏〜 解禁!
とはいえ、今日も雨
「夏の夕べ」より抜粋
民謡や童歌わらべうたが低い声で
夕暮の風の中をのぼって行く
そしてせっかく癒着して
忘れられた
すべての傷があらためて痛み出す
晩い夕べの雲が飾り立てて流れてゆく
大地は暖かく広々と息づいている……
お前は今日もまだ何か私に用があるのか
○ house jazz
○ ロバータ•フラック
The First Time Ever I Saw Your Face
○ コントラスト
夜 昼
○ 昼から夕刻
そして あなたの時空へ
○夕刻から
昼とは異なるその表情の
極美の変化を捉えてみたい
*ジュリー•ロンドン選曲
濃厚なテナーサックス
○静かな夜に