水に影ある旅人である
暑くなり水が恋しい季節、
川縁を行く一人の旅人がいます。
涼しげな川面を見ながら歩いていますと、
ふと自分の姿が映っていることに気がつきます。
少し立ち止り、己を確認しようとします。
何時ものように、他者の視線で・・・
『私はいったい何者なのか』
ひげ面で多少疲れた顔立ちですが、
それは紛れも無い自分自身であり
一人の旅人の姿でした。
一瞬、これまでの様々な思いが甦りますが
それを打ち払うように又旅を続けます。
夕方から雨の予感がします。
*ここで、自己を一介の『旅人』と表現したところに、
山頭火のひたむきさや決意を表しているように思います。
人は自分の人生を彼の旅に重ね多くの感慨に浸ることが
できます。時代が変われど人気が落ちない理由のひとつ
かもしれません。
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辻風
goya
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