『舞音-MANON-』
(アベ・プレヴォ「マノン・レスコー」より
脚本・演出:植田景子
作曲:ジョイ・ソン
アジア版「マノン」ということでエキゾチックな雰囲気が漂うオープニング。
エリート将校が、自由奔放な踊り子に恋をして、地位を失い、墜ちていく様を描いている。
原作の深い大人の恋愛小説を良く知っている人には、物足りないかもしれないけど、あまり大人の恋愛物が好きではない私にはあっさりと楽しめた。
本来だったら、反感を買う役どころのメンバーが、素敵に見えた。摩訶不思議。
まずは、ヒロイン愛希れいかさんは可憐で可愛い雰囲気が漂っていた。
男を渡り歩く高級娼婦には見えないけれど、フランス人とインドネシア人のハーフで裕福な家庭で育ちながらも、父親を失い…苦労した哀しみが伝わって来て好感度大。
また、マノンの兄役の珠城りょうさんは、嫌なひねくれた悪人のハズがそうは見えない。
かといって、善人には見えないけれど。
もっと、濃い悪人になっても良かったのでは?
優等生の珠城りょうさんらしさが出てしまったのが、残念!
主演の龍真咲さんはさやかな将校役が良く似合っていた。
だから…恋に墜ちていく、ドロドロ感はなく、明るい。
そのさわやか将校の暗い部分、屈折したところを表現するのが、美弥るりかさん演じるもう一人の将校。龍真咲さんの影は部分を表現していた。
一人の人間の多面性を表現するための手法だと思うけど、美弥るりかさんには気の毒な役だと感じた。
狂言まわし的に登場するも、台詞はオープニングとラストのみ。
将校シャルルの深い苦悩を描いているのだったら、もっと二人のシャルルを絡ませて、苦悩するところを描いたら良いのに…。
シャルルの苦悩を描けていない。
植田景子先生~!もっと美弥るりかさんを生かして下さい~!
一見、インパクトありそうなのに、美弥るりかさんが可哀想な感じ。
でも、また観たい、また観る、「舞音」。
ショー サウンドカーニバル
『ゴールデンジャズ』
作、演出
稲葉太地
今年観たショー作品で一番好き!
ショー作品自体が少ないけれど…(笑)
サウンドカーニバルと銘打ってあるように、バラエティーに富んだ楽しいショー!
月組の一体感や団結力が素晴らしかった。
オープニングから楽しい!
タンバリンが買えなかった不満も何処へやら~(苦笑)
馴染みのあるオーソドックスなジャズから、スイングするジャズ、アフリカンな場面まで緩急に富んで飽きないショーはさすが!稲葉先生!素晴らしい!
特にアフリカンの場面はちゃぴちゃんを中心に熱く、大地の響きを表していて素晴らしい。
からんちゃんの歌声も透き通って響いてくる。
今回は男役さんの大階段のダンスは黒燕尾ではなく、スーツ姿。
まさお君のみ真っ赤なスーツで、他の方々は黒いスーツ。
月男のカッコ良さが詰まっていて、きちんと全員が揃っていて気持ちよい!
この場面だけでなく、どの場面も群舞も揃っていて、きちんと気合いが入っている。
月組の団結力と一体感はやっぱり素晴らしい!
2階席からの醍醐味を堪能出来て、満足!
そして、たまきち君の正二番手、大きな羽を背負っての登場!
ファンの方々、おめでとうございます!