昔、石田先生がパワハラセクハラまがいの台詞や設定で、私も怒り心頭した事も多かったのですが、あれは下品なだけで、これほど直接的な表現でなく、正直、男性の私からすれば宝塚でこの類いの台詞を聞くと、ドキっと、おののいてしまいます。」と述べられています。】
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これ…男性だけでなく、女性もドキッとします(笑)
…というよりも、女性である私的にはドキッとというよりも、不快かもしれません😠
特に『フライングサパ』では自暴自棄で身体を売るとか?理解出来ませんし、幼い頃のヒロインが兵士に強姦された…と連想させる場面は不快を通り越して、嫌悪感さえ覚えました。
もっと言えば…もしも、もしも、万が一、観客席の女性で強姦された又はそれに近い目にあった、身を売った経験者でそれを悔いている方がいたとしたら…
宝塚歌劇を観て楽しく元気になる為に劇場に足を運んだのに、不快な気持ちになったら、残念この上ないです。
この『フライングサパ』観劇回数を重ねたら、中毒性にやられて何度も観たくなりました。
しかし、月日が経つと…もしも再演されても観に行かないと思い、好きではないと感じるようになりました(笑)
ですが…今回の『桜嵐記』には感動しました。
中村暁先生の作演出のショー『ドリームチェイサー』🌙
ごくシンプルでサヨナラ色をあまり感じない、上品な大人のショー❣️
しかも、サヨナラサヨナラしていなくても、退団者や組替えの生徒さん達への愛情はしっかりと詰まっていて、私は好きです🌙
奇を衒わずに肩に力が入っていない、おおらかな伸びやかさを感じました❣️
特に印象に残ったのは
プロローグ
夢追い人珠城りょうさん始め、大階段に全員が登場して軽やかに華やかにスタート。
華やかな場面から、スパニッシュの場面へと繋がって行きますが、この場面は美園さくらさん、鳳月杏さん、暁千星さんの3人をメインにした情熱的なスパニッシュでバリバリと踊ります。
この場面…最初は暁千星さんと美園さくらさんの2人が組んで踊る場面からスタート!
このありちゃん、サクサクちゃんのコンビは『アルカディア』を思い出させます💖
この『アルカディア』はサクサクちゃんの初の別箱ヒロイン作❣️
素敵な作品で暁千星さんと美園さくらさんの主演コンビはとても素敵でお似合いでしたし、私も大好きな作品でした。
きっと、ありちゃん、サクサクちゃんも忘れられない作品に違いないと思います💕
中村暁先生の愛を感じました!
でも『アルカディア』とは違い、この場面はスパニッシュで2人ともキリッと踊ってましたが(笑)
しかし、ありちゃんの表情は絞まり、顔つきがこれまでの可愛いありちゃんから大人の男、暁千星さんへと変貌していました❣️
そして、次に印象に残ったのは
美園さくらさんが娘役を従えて踊る場面
しなやかに力強く美しく踊るサクサクちゃんはカッコ可愛く素敵でした💕
さらにやっぱり印象なのは
ラスト近くの大階段の黒燕尾のダンス!
珠城りょうさんはシンプルな飾りのない皆と同じ黒燕尾姿!
やっぱり!黒燕尾のダンスはこうでなくては❣️✌️
そして、美しい流れでトップコンビのデュエットダンスに繋がります。
やっぱり、珠城りょうさんの力強いリフト!
クルクルと力強くサクサクちゃんを廻していました!
トップコンビのデュエットダンスのあとにさらにサプライズ?的な珠城りょうさんと数人の男役さんとの黒燕尾のダンスが用意されていました❣️
この場面は凄く印象的で中村暁先生の愛を強く感じました。
トップスターと数人だけの男役のダンスと言えば、普通は路線スターだけとなりますが…これまで珠城りょうさんを精神的に支えたであろう、絆で結ばれた上級生と下級生で構成されていました💖
メンバーは…
2番手、月城かなとさん
組長、光月るうさん
紫門ゆりやさん
千海華蘭さん
鳳月杏さん
輝月ゆうまさん
暁千星さん
この中で紫門ゆりやさんと輝月ゆうまさんは今回の公演を最後に月組を離れて専科に異動されますから、退団する珠城りょうさんと共にずっと育ってきた組を離れて行く辛さもあると思います。
観ているほうもしんみりしながらも、愛情と絆を感じる素敵なシーンとなりました💖
しかも、珠城りょうさんが7人皆んなの中に入って行く時に、組長の光月るうさんがたまきち君の額の汗を白いハンカチで拭っていました!😆
微笑ましい❣️
ドリームチェイサー!夢を追う人!
これから月組を離れる人も、これからも月組で生きて行く人も全員が変わらずに夢を追って歩き続ける❣️
そんな希望を抱かせるショー❣️
心の底に温かいものがありながらも、涙、涙の別れのショーにならないサラッとした明るいショー❣️
月組🌙らしいショーでした💖
号泣の月組『桜嵐記』
最終的に悲劇であるのは、同じく大人気のウエクミ先生作、雪組『星逢一夜』と同じですが…『星逢一夜』の場合には、悲しすぎて、哀しくて、しかも…救いようがなく切な過ぎました。
単に誰が亡くなるとか、それだけではなく…登場人物の気持ち的に、救いようがないのです。
あまりにも哀しくて、号泣でした💧
因みに、上田久美子先生の作品で好きなものは
月組『月雲の皇子』
雪組『星逢一夜』
宙組『神々の土地』
話を元に戻して(笑)…
今回の月組『桜嵐記』は主人公の珠城りょうさん扮する正行は四條畷の戦いで、討ち死にします。
美園さくらさん扮する弁内侍を愛しながらも、命を落とします。
でも、弁内侍とお互いに心はしっかりと結びついています。
だから、悲劇ではありますが…ある意味悲劇ではありません。
命を落とすことを覚悟の上、仕えている後村上天皇の為に戦いに出て行くのですから、武士としての志を貫く覚悟、武将の美徳の死かもしれません。
そういう点が悲劇ではありますが…悲劇ではないと思います。
なので、救いがある。
だから、切なすぎないのです😊
でもやっぱり、涙なくしては観られない『桜嵐記』
正行も正時も命を落とした後に、まゆぽん、輝月ゆうまさんがアカペラで歌う場面で大号泣!
まゆぽんの楠木正成は幼い我が子たち、正行、正時、正儀の3人と一緒にいます。
この歌は本当に父親の歌です…。
決して、朗々と歌わずに、朴訥としています。
歌うま、輝月ゆうまさんの歌ではなく、楠木正成の歌。
舞台上に居るのは確かに楠木正成。
月組生の端から端まで、この時代を確かに生きている。
本当に素晴らしい月組の『桜嵐記』
しかも、ただの悲劇ではなく、随所に笑いも散りばめられています💖
南北朝時代の楠木正成の3人の息子達の物語。
トップ珠城りょうさんは長男正行、鳳月杏さんは次男正時、月城かなとさんは三男正儀。
真っ直ぐで真面目で懐の広い長男。
穏やかでおおらかな次男。
やんちゃで怖いもの知らずの三男。
三兄弟それぞれが特徴的に描かれていて、しかも兄弟の絆が強い。
特に珠城りょうさんはピタリと役にハマっている。
月城かなとさんはこれまでにはあまり無かったように思うやんちゃな三男坊だけど、こちらも好演!
鳳月杏さんは言わずもがなの素晴らしさ。
そして、ヒロインの美園さくらさんは気高い公家娘がこれまたピッタリとハマって素晴らしい。
しかも、ただプライドが高いだけではなく、哀しみを秘めながらも気丈に振る舞う健気さも垣間見える感じです。
そして、今回特に素晴らしかったのが、高師直役の紫門ゆりあさん!
狡猾で嫌〜な感じ満載の悪人!
最初の登場では誰か分からないほどでした😅
いやっ!紫門さん!上手い❣️
今更ながら、専科行きに大納得です!
さらに、いつもピカっと光る芝居人!千海華蘭さん!
からんちゃんには笑わされたり、泣かされたりしました😊
いやっ!いつも本当に上手い❣️
月組の一体感、上級生から下級生に至るまで、一丸となって舞台に挑む感じが伝わってきました。
そして、南朝の2人の天皇の描き方が対照的で印象深かった。
後醍醐天皇は激しく戦闘的。
吉野に籠り、南朝を開く信念の人。
死しても未だに闘う人。
この後醍醐天皇を演じるのは、専科の一樹千尋さん。さすがに存在感抜群で、怨念渦巻く雰囲気が凄かったです。
そして、その息子の後村上天皇。
穏やかで優雅で気品があり、静かな佇まい。
公家達や武将が対立しても、強く押さえることはない。
父親である後醍醐天皇とは真反対。
この後村上天皇を演じるのは、暁千星さん。
これまでのありちゃんの持ち味の可愛さを無くし、とにかく穏やか。
しかし、弱さは感じない。
穏やかさの陰に、苦悩が見えて、自分の気持ちを抑えているのが伝わります。ありちゃんは顔芸で苦悩する訳ではありません。
佇まい自体がそう感じさせるのです。
生まれた時から、天皇とはいえ侘しい吉野の皇子として育った後村上天皇の心が伝わりました。
正行と弁内侍にも心を寄せている優しい天皇でした。
とにかく良かったです。ホッとしました!
5月10日の花組宝塚大劇場公演千秋楽は無観客なので、残念ではありますが…12日から再開されるのは何よりです。
そして、観劇する私たちは客席やロビーでは会話しないように、心しなければならないと思います。
昨年の花組公演『はいからさんが通る』の客席のように、誰一人喋らず、水を打ったような静けさの客席が戻ってきますように!🙏🏻
特に月組大劇場公演をご観劇の方々には本当に幕間の客席、化粧室に並んでいる時のお喋りは止めて頂きたいと思います。
以前、月組の『ピガール狂想曲』、『ダルレークの恋』を観劇した時に、客席、化粧室の列、色々なところでお喋りをする方々が非常に多くて閉口したことが何度もありました…。
お友達同士で観劇している場合には、話したくなる気持ちは良く分かりますが、今は静かに劇場内で過ごすことが第一だと思います。
どうか千秋楽まで、月組の皆さまが無事に完走出来ることを祈るばかりです!