1月22日23日の二日間、棋聖戦七番勝負第2局が高岡市の勝興寺で行われた。
8年ぶりの富山での開催、せっかくの機会、何か地元の囲碁普及に繋がるようなイベントが出来ないか、足跡を残せないだろうか、ということで近隣の幼稚園での「出前囲碁」を企画した。
棋聖戦初日の22日(金)9時に対局が開始された1時間後、近くの高岡第一学園附属伏木第二幼稚園で年長クラス19名を対象に「囲碁で遊ぼう」が行われた。
講師は吉原由香里六段と下島陽平八段。時間は1時間余り。結果は
『素晴らしい!日本中の囲碁の指導者の方々、教育関係者のみなさん、
それから保護者のみなさんに見てほしい。どうして映像で残しておかなかったのだろう』
と悔いを残したほどだった。
それほど、「初めての囲碁」両棋士の園児たちへの接し方、そして園児たちやお世話される保育士さんたちの集中度も素晴らしく、とても中身の濃い時間を送れた。
何が?と聞かれると、一枚一枚の写真でご推察いただきたいのですが、まずは園児たちの始まる前の緊張感と途中のノリノリの様子、そして終わった後の弾けるような笑顔、ゆかりコーチやようへいコーチ(園児たちはお二人をコーチと呼ぶことになった)をつかんで離さない親近感などなど。
それから園児たちに付き添っていたお二人の保育士さんやプレイルームの外から窓越しに園児たちを心配そうに見守っていた他の保育士さんたちもすべてが終わった後、手ごたえを感じたのか
「私たちも一緒に撮らせてください!」と最後の集合写真にも素敵な笑顔が並んだ!!
それから、テレビカメラが数台、記者さんたちもカメラやペンを走らせながら、自然に園児たちの理解力の早さと部屋の雰囲気に、みなさん笑みがこぼれ始めている。途中近くに寄ってのインタビューも記者さんたちの眼差しが優しい
また見学に訪れていた、市の教育長や教育委員会の方々も同様の感触を受けられたようだ。お仕事柄、みなさん観察眼の鋭い方ばかリと思うが
「いやぁ、(どんなに囲碁が園児年代に効果があると聞かされていても)やはり見てみないとわからないものですねぇ」と、『百聞は一見に如かず』園児たちの囲碁の飲み込みの早さや集中そして楽しそうな表情をにこにこと見守られていた。
そして最後の時間の両コーチと園児たち(保育士さんも一緒に)との連碁(小生はリレー碁と呼んでいる)をご覧になりながら、運動会のリレー競争の子供たちの応援と変わらない盛り上がり方にもいたく感心されていた様子だった。
つまりはその場に居合わせたすべての人たちが園児たちの活躍を見守りながら、だんだんと、あのワールドカップのサッカーのベルギー戦、それからラグビーのスコットランド戦の会場の選手と観客が一緒になってゲームの成り行きに夢中になる一体感に包まれていた、と言っても言い過ぎでないと思えるほどだった
日本中の園児や子供世代に囲碁を伝えることの有意義さ、そしてその伝え方や方法がこの1時間の中に凝縮されていた気がする。
技術を教えることも大事だが、まずは入り口の部分である
「囲碁は面白い」「囲碁は楽しい」
「囲碁は簡単」「もっとしたい」
そう思ってくれたら最高、園児年代にも十分囲碁を伝えることが出来るしまた覚える年代としても(いろいろな制約も少なく)最適だと改めて思った次第です。
実際に継続的に行おうとすれば、コーチの養成、確保など、いくつもの課題がある。
が、それを少しずつでも解消して、彼らの人格の成長に大きく寄与する期待のある囲碁ができる場を提供していくことが僕ら囲碁を愛する大人たちの役割だとも思う。
なにも毎日や毎週でなくても月に一回でも年に四回程度でも良い。
あるいは一回でも、囲碁の良いイメージを残すだけでも、いつか再開したときに親しみやすく、入りやすいことでしょう。
技術を伝えることも必要だが、まずはあの一体感を感じるような動画を作成してほしい。
そして全国の多くの人たちに見てもらいたいと思う。
日本棋院で作成していただけないでしょうか
当日の様子の動画です
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