魚鳥木、申すか?申さぬか?

ぎょ・ちょう・もく、申すか?申さぬか?
申す!申す! 魚⇒ニシキゴイ。鳥⇒ニホンキジ。木⇒制定無し、花は桜と菊

老子『道徳経』を翻訳してみました。11

2017年08月27日 | 老子『道徳経』
英語と中国語を学ぶため 
老子『道徳経』を 翻訳してみました。
訳に間違いが有りましたら御教示下さい。


老子『道徳経』
Laozi『Tao Te Ching』


第十一章
原文

三十輻共一轂。當其無、有車之用。埏埴以爲器。當其無、有器之用。鑿戸牖以爲室。當其無、有室之用。故有之以爲利、無之以爲用。

英訳文
A wheel has thirty spokes and one hub. We can use a wheel because a hub has a hole to insert an axle. We knead clay and make a vessel. We can use a vessel because it has a space with nothing. A house has doors and windows. We can live in a house because it has a space with nothing. So when we use something, we always benefit by "nothing".

書き下し文
三十の輻(ふく)、一つの轂(こく)を共にす。その無に当たりて、車の用あり。埴(つち)を埏(こ)ねて以(も)って器を為(つく)る。その無に当たりて、器の用あり。戸牖(こゆう)を鑿(うが)ちて以って室(しつ)を為る。その無に当たりて、室の用あり。故(ゆえ)に有の以って利を為すは、無の以って用を為せばなり。

現代語訳
車輪というものは三十本の輻(や)が真ん中の轂(こしき)に集まって出来ている。その轂に車軸を通す穴があいているからこそ車輪としての用を為すのだ。器を作るときには粘土をこねて作る。その器に何もない空間があってこそ器としての用を為すのだ。戸や窓をくりぬいて家は出来ている。その家の何もない空間こそが家としての用を為しているのだ。だから何かが「有る」という事で利益が得られるのは、「無い」という事が影でその効用を発揮しているからなのだ。


老子『道徳経』を翻訳してみました。12
へ続く。




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田口佳史
致知出版社


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