百人一首の和歌の原文・現代訳・英訳を紹介します。「48」
※英訳については、1909年にWilliam N. Porterが書いた百人一首の本
『A HUNDRED VERSES FROM OLD JAPAN』を参照しています。
和歌番号048
作者:源重之
author of waka:SHIGE-YUKI MINAMOTO(MINAMOTO NO SHIGE-YUKI)
原文
風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ くだけて物を 思ふころかな
(かぜをいたみ いはうつなみの おのれのみ くだけてものを おもふころかな)
現代訳
風がとても強いので、岩に打ちつける波が、自分ばかりが砕け散ってしまうように、(あなたがとてもつれないので) わたしの心は (恋に悩み) 砕け散るばかりのこの頃です。
英訳
THE waves that dash against the rocks
Are broken by the wind
And turned to spray; my loving heart
Is broken too, I find,
Since thou art so unkind.
The writer of this verse is said to have died in the year 963; for a note about the great Minamoto family, see verse No. 28. In the picture we see Shige-yuki, with an attendant carrying his sword, walking on the shore, while the waves break into spray at his feet.
解説
源重之(みなもとのしげゆき・生年不明~長保2年頃 / ?~1000年頃)は清和天皇の曾孫で源兼信の子どもです。
和歌に優れ、藤原公任が選んだ三十六歌仙の一人にも名前が挙げられています。
また、源重之は村上、冷泉、円融、花山、一条の五朝に仕え、左近将監、相模権守などを任ぜられています。
東北から九州まで、全国を広く旅して、長保二年、任地先の陸奥で亡くなりましたが、「拾遺和歌集」以下の勅撰和歌集に多くの和歌が残されています。
この和歌は、自分の恋心を岩を打つ波に例えたものですが、躍動感があり、激しい恋心もよく表されています。
「おのれのみ」、「くだけて」は、いずれも「波」と「(恋する)自分」にかかっていて、表現も巧みで、重之の胸のうちが伝わってくるようです。
★おススメ本★
本書は「平成和歌所」のウェブコンテンツ「一人十首の歌人列伝」を再編集したものです。
http://wakadokoro.com/
厳選した百人一首歌人の「おもしろエピソード」と「十首の秀歌」を分かりやすく解説した読み物は、幅広い層の和歌ファンに人気を博しました。
これを読めば「はるか昔にいた正体不明のオジサン」だった歌人たちが、グッと身近に感じられることでしょう。
そして本書を読み終わった後、あらためて百人一首を一番から眺めてみてください。
王朝の歴史絵巻が紐解かれ、つまらなかったあの百首歌たちが息吹を宿し、断然おもしろく感じられるはずです。
※読みやすい文字サイズ文章で、約200ページがあっという間に読み終わります!
※英訳については、1909年にWilliam N. Porterが書いた百人一首の本
『A HUNDRED VERSES FROM OLD JAPAN』を参照しています。
和歌番号048
作者:源重之
author of waka:SHIGE-YUKI MINAMOTO(MINAMOTO NO SHIGE-YUKI)
原文
風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ くだけて物を 思ふころかな
(かぜをいたみ いはうつなみの おのれのみ くだけてものを おもふころかな)
現代訳
風がとても強いので、岩に打ちつける波が、自分ばかりが砕け散ってしまうように、(あなたがとてもつれないので) わたしの心は (恋に悩み) 砕け散るばかりのこの頃です。
英訳
THE waves that dash against the rocks
Are broken by the wind
And turned to spray; my loving heart
Is broken too, I find,
Since thou art so unkind.
The writer of this verse is said to have died in the year 963; for a note about the great Minamoto family, see verse No. 28. In the picture we see Shige-yuki, with an attendant carrying his sword, walking on the shore, while the waves break into spray at his feet.
解説
源重之(みなもとのしげゆき・生年不明~長保2年頃 / ?~1000年頃)は清和天皇の曾孫で源兼信の子どもです。
和歌に優れ、藤原公任が選んだ三十六歌仙の一人にも名前が挙げられています。
また、源重之は村上、冷泉、円融、花山、一条の五朝に仕え、左近将監、相模権守などを任ぜられています。
東北から九州まで、全国を広く旅して、長保二年、任地先の陸奥で亡くなりましたが、「拾遺和歌集」以下の勅撰和歌集に多くの和歌が残されています。
この和歌は、自分の恋心を岩を打つ波に例えたものですが、躍動感があり、激しい恋心もよく表されています。
「おのれのみ」、「くだけて」は、いずれも「波」と「(恋する)自分」にかかっていて、表現も巧みで、重之の胸のうちが伝わってくるようです。
★おススメ本★
A Hundred Verses from Old Japan: Being a Translation of the Hyaku-Nin-Isshiu | |
Tuttle Pub |
図説 百人一首 (ふくろうの本/日本の文化) | |
河出書房新社 |
百人一首の歌人列伝(業平、定家に西行…人気二十歌人の面白エピソードと代表歌を知ろう! ) | |
歌林苑 |
本書は「平成和歌所」のウェブコンテンツ「一人十首の歌人列伝」を再編集したものです。
http://wakadokoro.com/
厳選した百人一首歌人の「おもしろエピソード」と「十首の秀歌」を分かりやすく解説した読み物は、幅広い層の和歌ファンに人気を博しました。
これを読めば「はるか昔にいた正体不明のオジサン」だった歌人たちが、グッと身近に感じられることでしょう。
そして本書を読み終わった後、あらためて百人一首を一番から眺めてみてください。
王朝の歴史絵巻が紐解かれ、つまらなかったあの百首歌たちが息吹を宿し、断然おもしろく感じられるはずです。
※読みやすい文字サイズ文章で、約200ページがあっという間に読み終わります!
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