アニマル・ウェルフェア サミット 2017が
8/27(日), 28(月) 東京大学 弥生講堂・農学部1,2号室で開催されます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/70/30108682c371ee68ac2c9423600f8c81.png)
画像をクリック頂ければ、アニマル・ウェルフェア サミット 2017 のホームページに飛びます。
アニマルウェルフェアとは
アニマルウェルフェア(Animal Welfare、動物福祉)は、動物の立場に立ち、人間が動物に対して与える痛み・苦痛を最小限に抑えることで、飼育されているすべての動物の「生活の質(Quality of life)」を高めようとする考え方だ。アニマルウェルフェアという言葉は主に家畜動物の飼育管理の領域において特に盛んに唱えられており、農林水産省はアニマルウェルフェアの定義を以下のように記している。
”アニマルウェルフェア(Animal Welfare)は、日本語では、「動物福祉」や「家畜福祉」と訳される場合があります。 しかし、「福祉」という言葉が社会保障を指す言葉としても使用されていることから、本来の「幸福」や「良く生きること」という考え方が十分に反映されておらず、誤解を招くおそれがあります。そのため、家畜(産業動物)においては、「アニマルウェルフェア」を「快適性に配慮した家畜の飼養管理」と定義しています。”出典:農林水産省Webサイト(http://www.maff.go.jp/j/chikusan/sinko/animal_welfare.html)
また、最近は愛玩動物(ペット)にもこの概念が唱えられるようになってきた。具体的には「動物たちが自然に行動(natural behavior)できるように、快適な環境を整えること」(アニマル・ウェルフェアサミット2016 資料より)を進めるべきだと述べられている。どの定義を見ても、家畜動物・ペットによらず、「快適」な生活を動物に与えることが強調されている。
しかし、快適性が重視されているとは言っても、最新の施設や設備を導入しなければならないということではないようだ。アニマルウェルフェアに取り組む上で最も重視されるべきことは、施設の構造や設備の状況といったハード面よりも、家畜を丁寧に取り扱うことや、日々の家畜の観察や記録、そして、良質な飼料や水を与えること等の管理者による日頃の行動である。
アニマルウェルフェアの指標「5つの自由」
アニマルウェルフェアはそれ自体が抽象的な考え方だが、その具体的な基準・目標として「5つの自由」が国際的に認知されている。5つの自由はもともと、1960年代の英国において家畜動物が劣悪な飼育管理をされており、家畜動物の福祉を確保するべきだという考え方の高まりが起こったことを背景に提起された。
①飢えや渇きからの自由
(Freedom from Hunger and Thirst)
健康維持のために適切な食事と水を与えること。
②痛み、負傷、病気からの自由
(Freedom from Pain, Injury and Disease)
怪我や病気から守り、病気の場合には十分な獣医医療を施すこと。
③恐怖や抑圧からの自由
(Freedom from Fear and Distress)
過度なストレスとなる恐怖や抑圧を与えず、それらから守ること。動物も痛みや苦痛を感じるという立場から肉体的な負担だけでなく精神的な負担もできうる限り避けること。
④不快からの自由
(Freedom from Discomfort)
温度、湿度、照度、など、それぞれの動物にとって快適な環境を用意すること。
⑤自然な行動をする自由(
Freedom to Express Normal Behavior)
各々の動物種の生態・習性に従った自然な行動が行えるようにすること。群れで生活する動物は同種の仲間の存在が必要。
出典:農林水産省Webサイト(http://www.maff.go.jp/j/chikusan/sinko/pdf/layer.pdf)
アニマルウェルフェアの歴史と現状
アニマルウェルフェアの概念は欧州から生まれた。先述したとおり、1960年代に英国では密飼い等の劣悪な畜産の在り方について問題が提起され、「5つの自由」を中心としてアニマルウェルフェアの概念が普及した。その後、動物先進国の多いEUではアニマルウェルフェアが急速に浸透し、現在ではEU指令としてアニマルウェルフェアに基づく飼養管理の方法が規定され、各国はそれに基づき、法令・規則等を定めている。北米や豪州は、畜産関係者や生産者団体が独自にガイドラインを設定することでアニマルウェルフェアに取り組んでいるようだ。さらに、国際獣疫事務局(OIE)はアニマルウェルフェアに関するガイドラインの検討を始めています。出典:アニマルウェルフェアの考え方に対応した 採卵鶏の飼養管理指針」(農林水産省)http://www.maff.go.jp/j/chikusan/sinko/pdf/layer.pdfをもとにアイペット損保が作成
日本では、家畜動物に関して言えば、農林水産省が指針を出しており、各自治体へ通達を出している(アニマルウエルフェアの考え方に対応した飼養管理指針の事例:http://www.maff.go.jp/j/chikusan/sinko/animal_welfare.html)。一方、ペットに関するアニマルウェルフェアもまた少しずつ耳にするようになってきており、滝川クリステル氏が代表理事を務める一般財団法人クリステル・ヴィ・アンサンブル主催「アニマル・ウェルフェアサミット」等のイベントも開催されている。アニマル・ウェルフェアサミット2016には、東京都で殺処分ゼロを目指すことを掲げた小池・東京都知事も登壇した。なお、2017年にも「アニマル・ウェルフェアサミット2017」が開催される予定。こうしたイベントや有力者が開催/協力することで「アニマルウェルフェア」がより一層浸透することを期待します。
8/27(日), 28(月) 東京大学 弥生講堂・農学部1,2号室で開催されます。
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アニマルウェルフェアとは
アニマルウェルフェア(Animal Welfare、動物福祉)は、動物の立場に立ち、人間が動物に対して与える痛み・苦痛を最小限に抑えることで、飼育されているすべての動物の「生活の質(Quality of life)」を高めようとする考え方だ。アニマルウェルフェアという言葉は主に家畜動物の飼育管理の領域において特に盛んに唱えられており、農林水産省はアニマルウェルフェアの定義を以下のように記している。
”アニマルウェルフェア(Animal Welfare)は、日本語では、「動物福祉」や「家畜福祉」と訳される場合があります。 しかし、「福祉」という言葉が社会保障を指す言葉としても使用されていることから、本来の「幸福」や「良く生きること」という考え方が十分に反映されておらず、誤解を招くおそれがあります。そのため、家畜(産業動物)においては、「アニマルウェルフェア」を「快適性に配慮した家畜の飼養管理」と定義しています。”出典:農林水産省Webサイト(http://www.maff.go.jp/j/chikusan/sinko/animal_welfare.html)
また、最近は愛玩動物(ペット)にもこの概念が唱えられるようになってきた。具体的には「動物たちが自然に行動(natural behavior)できるように、快適な環境を整えること」(アニマル・ウェルフェアサミット2016 資料より)を進めるべきだと述べられている。どの定義を見ても、家畜動物・ペットによらず、「快適」な生活を動物に与えることが強調されている。
しかし、快適性が重視されているとは言っても、最新の施設や設備を導入しなければならないということではないようだ。アニマルウェルフェアに取り組む上で最も重視されるべきことは、施設の構造や設備の状況といったハード面よりも、家畜を丁寧に取り扱うことや、日々の家畜の観察や記録、そして、良質な飼料や水を与えること等の管理者による日頃の行動である。
アニマルウェルフェアの指標「5つの自由」
アニマルウェルフェアはそれ自体が抽象的な考え方だが、その具体的な基準・目標として「5つの自由」が国際的に認知されている。5つの自由はもともと、1960年代の英国において家畜動物が劣悪な飼育管理をされており、家畜動物の福祉を確保するべきだという考え方の高まりが起こったことを背景に提起された。
①飢えや渇きからの自由
(Freedom from Hunger and Thirst)
健康維持のために適切な食事と水を与えること。
②痛み、負傷、病気からの自由
(Freedom from Pain, Injury and Disease)
怪我や病気から守り、病気の場合には十分な獣医医療を施すこと。
③恐怖や抑圧からの自由
(Freedom from Fear and Distress)
過度なストレスとなる恐怖や抑圧を与えず、それらから守ること。動物も痛みや苦痛を感じるという立場から肉体的な負担だけでなく精神的な負担もできうる限り避けること。
④不快からの自由
(Freedom from Discomfort)
温度、湿度、照度、など、それぞれの動物にとって快適な環境を用意すること。
⑤自然な行動をする自由(
Freedom to Express Normal Behavior)
各々の動物種の生態・習性に従った自然な行動が行えるようにすること。群れで生活する動物は同種の仲間の存在が必要。
出典:農林水産省Webサイト(http://www.maff.go.jp/j/chikusan/sinko/pdf/layer.pdf)
アニマルウェルフェアの歴史と現状
アニマルウェルフェアの概念は欧州から生まれた。先述したとおり、1960年代に英国では密飼い等の劣悪な畜産の在り方について問題が提起され、「5つの自由」を中心としてアニマルウェルフェアの概念が普及した。その後、動物先進国の多いEUではアニマルウェルフェアが急速に浸透し、現在ではEU指令としてアニマルウェルフェアに基づく飼養管理の方法が規定され、各国はそれに基づき、法令・規則等を定めている。北米や豪州は、畜産関係者や生産者団体が独自にガイドラインを設定することでアニマルウェルフェアに取り組んでいるようだ。さらに、国際獣疫事務局(OIE)はアニマルウェルフェアに関するガイドラインの検討を始めています。出典:アニマルウェルフェアの考え方に対応した 採卵鶏の飼養管理指針」(農林水産省)http://www.maff.go.jp/j/chikusan/sinko/pdf/layer.pdfをもとにアイペット損保が作成
日本では、家畜動物に関して言えば、農林水産省が指針を出しており、各自治体へ通達を出している(アニマルウエルフェアの考え方に対応した飼養管理指針の事例:http://www.maff.go.jp/j/chikusan/sinko/animal_welfare.html)。一方、ペットに関するアニマルウェルフェアもまた少しずつ耳にするようになってきており、滝川クリステル氏が代表理事を務める一般財団法人クリステル・ヴィ・アンサンブル主催「アニマル・ウェルフェアサミット」等のイベントも開催されている。アニマル・ウェルフェアサミット2016には、東京都で殺処分ゼロを目指すことを掲げた小池・東京都知事も登壇した。なお、2017年にも「アニマル・ウェルフェアサミット2017」が開催される予定。こうしたイベントや有力者が開催/協力することで「アニマルウェルフェア」がより一層浸透することを期待します。
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