とても良質な感動を与えてくれる作品で、
心打たれるシーンが多い。
少年ビリーは、まだら認知症のおばあちゃんの世話をしながら、学校と嫌いなボクシング教室に通う毎日を送っていた。
母は病死、父と兄は炭鉱夫だが、労組はストを決行中で、周囲のピリピリした空気を幼いなりに感じていた。
そんなビリーがひょんな事からバレエ教室の練習に紛れ込み、コーチに見初められてからみるみる頭角を上げて行く。
まさに、「好きこそものの上手なれ」だね。
しかし、父も兄もビリーのバレエには難色を示し、コーチの熱心な説得にも反対姿勢。味方はおばあちゃんだけ。
ビリーはそれでも諦めきれずレッスンを続けて、バレエ名門校の入学試験を目指す。
父は、ビリーが本気でダンサーを夢見ている姿に打たれ、自ら裏切り者と化し、収入を得るためスト破りのバスに乗る。
必死に止める兄と組み合い、父は泣きながら、「俺たちには未来はないが、ビリーにだけは夢を叶えさせたい」と言う。
家族の応援を得る事ができたビリーは、生まれ育った小さな町を出て、厳しいダンス
の世界へ旅立つ。
そして、10年の月日が流れ、ビリーの初?公演の舞台へ父と兄が招待される。
我が子の晴れ姿を目に涙を浮かべながら見つめる父。白鳥の湖の音楽が流れ大人になったビリーが飛び立つと同時にスクリーンが暗くなりエンドロール。目頭と胸が熱くなる映画でした。