【生きる歌〜三角公園の歌姫とわたし】を観た。
生粋の浪花っ子、ジャズシンガーの坂田圭子さんが西成の公園で路上ライブを繰り広げる姿に励まされた推しとの絆が丁寧に描かれていた。
アルコール依存症の彼女の手足は棒切れのように細い。ストロングのチューハイロング缶は50を過ぎた身体を蝕んでいたと思う。元々はスナックやバーの専属ジャズシンガーだったが、飲酒のトラブルから出禁となり、西成のホームレスに向けた路上ライブシンガーに転向して行った。
酒とタバコと不摂生な生活で喉は潰れ、しかしそのしゃがれ声から発する魂の歌声が多くのファンの心を鷲掴み。特に癌闘病者や難病に苦しむ人々を励まし生きる意欲を与えていた。すごい人だよね。
破天荒な人生を送り、アルコール依存によって籍はあるものの結婚生活も破綻。
ワンルームの小さなアパートで、床に食器を直置きしての食事風景。なんとも豪快。
歌だけでなく、ファンを励ましハグ。
「一緒に生きよう」と語りかける。推しに心酔しているファンの姿は、知らない人から見ればドン引きな光景にも見えるが、細い身体から火山噴火の如く流れ出る歌声には弱った人の心を再生させるパワーに溢れている。
そして彼女も乳がん転移と告知される。病院嫌いだった彼女は、歌い続けたいからと治療を開始。そこで番組は終わるが、この人の壮絶な人生はまだまだ続くに違いな
い。