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合言葉はヒュッゲ

名画は色褪せない 映画「いまを生きる」

ピーター・ウィアー監督「いまを生きる」は1989年公開されたアメリカ映画。
舞台はニューイングランド地方のバーモント州。だからイギリス色が強いのですね。美しい景色の映像も魅力です。厳格で優秀な全寮制男子高校に学ぶ生徒と教師の物語。

キーティング役のロビン・ウィリアムズが母校への英語教師として赴任。それまで勉強と規律だけ重んじてきた生徒達に型破りな教育方針で向き合う役柄ですが、眼差しの優しさと演技がとても素晴らしい。ロビン・ウィリアムズならではの味が出ています。

トッド役は若き日のイーサン・ホークが好演。転入後は環境に慣れずおどおどした少年でしたが、最終的には一番キーティングの理念を受け継いでいました。

皆のリーダー的存在だったニールは、父親からの抑圧に逆らえずにいましたが、自分の好きな道は演劇役者だと知ります。しかし、医者になる事だけを望む父からの理解を得る事はなく、最初で最後の舞台を終え家に連れ戻されてしまう。

父と息子との関係の難しさ。子に親の価値観だけで人生を決めてしまう。それが愛情と信じているから厄介な父親です。
「言いたいことがあるのか?」と聞きながら実際全く息子の言葉、真の気持ちに耳を傾ける事のない父に自分の意見を言えないまま、ニールは自宅で死を選ぶ。胸が締め付けられるシーンです。

ニールの死は、校風から外れた授業をするキーティングへと全ての責任が押し付けられます。

生徒達は学校から無理矢理サインを強いられ、教室を去るキーティングを見送る。

トッドが先頭で机の上に立つのですが、それもキーティングからの教え。時に高い位置から物事を見つめ直すための手法だった。

一人一人が決意して机に立つ。目の前に校長がいて止めるのですが、その慌てぶりが小気味良い。

この映画は1959年と半世紀以上前の時代背景なのに、ちっとも古さを感じないから不思議です。

まさに名画は色褪せない。35年近く前に映画館で観た感動をそのまま保存でき、また新たな感動を保存できるそんな作品でした。

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