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合言葉はヒュッゲ

映画 乱れる

まずタイトルがすごい。「乱れる」ん?どういう内容?BSNHKの放送だからまさかポルノじゃないよね?

主演は高峰秀子さん。生きていれば御年100歳の名女優。60年前の映画だから当時40歳なんだね。艶のある大人の女性って感じ。

物語は、静岡のとある酒屋が舞台。戦争で焼け野原になった土地に酒屋を1から築き上げ繁盛させた戦争未亡人の礼子が主人公。その礼子に思いを寄せる義弟の幸司役は若き日の加山雄三さんで、幸司はろくに働きもせず遊び暮らす怠け者。礼子の夫は新婚半年で出征しそのまま戦死したが、婚家を出るでもなく18年も家業を支え、嫁として義妹を嫁がせ姑と幼かった義弟の面倒を見てきた。

時代は昭和39年、高度成長期。小売店からスーパーマーケット進出の動きが早まり、礼子の店も不景気となり、店をスーパーに拡大する話も出始めた。

義弟からの求愛と酒屋を無くす話に困惑し、自ら家を出る決断をする礼子。山形の実家に戻る礼子を追って幸司が電車に乗りこんでくる。週刊誌にくるまれたみかんを渡しながら無邪気な笑顔で「姉さん送っていくよ」と言う幸司。加山雄三さんの非の打ちどころのないイケメンぶりにはっとする。

今と違って新幹線もない時代。乗り継ぎながらの旅路で2人の距離は急速に近くなり、眠り込んだ義弟の寝顔を見て涙ぐむ。

礼子の提案で途中下車したところは銀山温泉。お?これはどこかで見た景色。あ、そうだ!千と千尋の神隠しの温泉街だと胸が踊る。もちろんこの映画の作成時にはそんなリメイクを予想だにしなかっただろうけど。

2人泊まる旅館で、改めて告白する幸司。でも一線を超える事はできず、「堪忍して」と泣き崩れる。なんでえ?たぶんこの映画
を観ている人は皆もどかしさに喘いだだろう。

ネタバレが忍ばれるこの後の展開。息を飲むシーンで終わる。悲恋の物語なのか。戦争で運命を変えた1人の女の生き様がやりきれなさと同時に清らかな感動を与えてくれる名作です。
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