ようちゃんの夜
前川 梓
第1回ダ・ヴィンチ文学賞 大賞受賞作
「孫が本を出しましたので読んでみてください」
と、近所のお婆ちゃんから本を頂いた(正確には義母が)
ちょうどダヴィンチ・コードを読み終えたところ(今頃)だったので借りて読んでみた。
あらすじは・・・高校生の女の子2人。
空想・妄想・馴染めない現実の中でひとりの『ようちゃん』と、彼女に憧れる『アサコ』の話
アサコはようちゃんの白い肌がキラキラして眩しい、足が、手が、うらやましい
自分のすべてがイケテナイ。
アサコはようちゃんのするしぐさ、ノートの字、ペンを持つ手が好き
他の友達にはイライラ・・・凡人
アサコはようちゃんになりたい
ようちゃんが最高でそれ以外は問題外
アサコが彼氏にようちゃんのしぐさや話を真似するくだりがある。
彼女がしてたようなしぐさで、してた話をした。
うまくできた? 優越感、期待感
彼氏が不思議な顔をしたら成功。相手にもしてくれなかったら失敗。
ワカルナァ・・・・
中学の頃
流行の服、髪型を真似た。ダサい子にならんように、って頑張ってた。
高校の頃
周りの子よりもちょっとイケテルように、って頑張ってた。優越感が欲しかった。
大学の頃
自分に個性がないのがイヤだった。人と違う自分を見つけたい、作りたいと思った
そんな思春期の断片が、この本にはあって狭い自分中心の世界でもがくようなあの感覚を思い出した。
久しく他人の目も気にすることがなくなった、オバサン化した私には遠い感覚。
でも一番の感想は、
・・・・うらやましい
って感じかな。こんな本が書ける才能がうらやましい。
自分で、本を読んで感動は出来ても他人を感動させることは出来ない。
絵でも文でも、このくらい私にでも!と思っても・・・やっぱり出来ん。才能なし。
ハァ~~~せめて感動出来る才能だけは無くなりませんように