5月11日、午後2時から群馬県教育会館ホールで、太平洋戦争下、強制連行され過酷な労働環境等で亡くなった朝鮮人を悼む追悼集会が開催されました。
20回目となる追悼集会ですが、県立公園「群馬の森」に設置されていた追悼碑について10年前の2014年7月に群馬県が「追悼碑更新許可申請」を不許可としたため、以来追悼碑前での追悼集会が開催できず、屋内での集会となっていました。
きっかけは、ヘイト集団「そよ風」が「強制連行はなかった!」と、追悼碑前での集会に言いがかりをつけ、県当局に圧力をかけたり、保守派の県議に「設置許可」を取り消す請願を採択させたりしたことによります。
付け加えれば、安倍晋三が首相に返り咲き、あからさまに歴史を歪曲する発言を繰り返してヘイト団体を元気づけたことが背景にあります。
さらに、守る会が「不許可決定」を不服として起こした裁判は、1審の前橋地裁が「強制連行発言は政治的発言」と認定した一方で事前の相談もなくいきなり「不許可」とするのは職権乱用、社会通念に照らして著しく妥当性を欠き違法とする一部勝訴の判決でした。
しかし東京高裁では「更新不許可は合法」という不当判決、さらに最高裁に上告しましたが、2022年6月、最高裁は審理すら行わず「上告棄却」して原告敗訴が確定してしまいました。
この不当判決を理由に、今年1月29日群馬県当局は、多くの市民の反対の声を押し切り、「追悼碑撤去」の代執行(追悼碑の破壊)を強行してしまいました。
こうした中で迎えた20回目の追悼集会では、ステージ上に追悼碑をデザインした美術家の白川昌生さんの制作した追悼碑のレプリカが、追悼碑から外された碑文のプレートとともに展示され、約200人の参加者が献花を行いました。
守る会の共同代表の宮川邦雄さんは、「知事の暴挙で碑は撤去されたが、強制労働で命を落とした方々を追悼し、平和にむけて努力していくと誓う」と述べました。
また、制作者の白川さんは、追悼碑のレプリカについて「朝鮮人強制連行という出来事、事件を記録として残すことに意味があり、持ち運びできる追悼碑として布と段ボールでレプリカを作った」と、制作の意図を紹介しました。
このレプリカをめぐっては、2017年群馬県近代美術館で開催された「群馬の美術2017」において、開催直前になって、出品が取り消されたという事件も起きています。
追悼集会に先立ち、県立公園群馬の森の追悼碑跡地には関係する人々が集まり、アプリケーションでバーチャル空間に追悼碑を再現する試みが行われました。
アプリケーションを制作したのは情報科学芸術大学院大学の前橋明次教授で、担当したエンジニアとともに現地でタブレットのアプリを起動させると、画面に追悼碑が浮かび上がりました。
現在はアップルの端末用のみですが、今後アンドロイド用アプリも制作するとのことです。
この問題はTBSテレビの「報道特集」が粘り強く取材を続け、各地の「追悼碑」やかつての日本政府の悪事の記憶を伝える銘文が消されていく状況を報道してきました。
今回の「追悼碑の破壊とバーチャル空間に追悼碑を再現する試みについても、日下部キャスターが現地を訪れ関係者に取材し、先週6月2日日曜深夜放送の「ドキュメンタリー解放区」(TBS制作)で報道しています。
この番組はネット動画アプリ「TVer」(無料)で見逃し配信しているので、視聴が可能です。
あと1週間の期間限定です。
ぜひご覧ください。
2024/6/9
-K.H-
20回目となる追悼集会ですが、県立公園「群馬の森」に設置されていた追悼碑について10年前の2014年7月に群馬県が「追悼碑更新許可申請」を不許可としたため、以来追悼碑前での追悼集会が開催できず、屋内での集会となっていました。
きっかけは、ヘイト集団「そよ風」が「強制連行はなかった!」と、追悼碑前での集会に言いがかりをつけ、県当局に圧力をかけたり、保守派の県議に「設置許可」を取り消す請願を採択させたりしたことによります。
付け加えれば、安倍晋三が首相に返り咲き、あからさまに歴史を歪曲する発言を繰り返してヘイト団体を元気づけたことが背景にあります。
さらに、守る会が「不許可決定」を不服として起こした裁判は、1審の前橋地裁が「強制連行発言は政治的発言」と認定した一方で事前の相談もなくいきなり「不許可」とするのは職権乱用、社会通念に照らして著しく妥当性を欠き違法とする一部勝訴の判決でした。
しかし東京高裁では「更新不許可は合法」という不当判決、さらに最高裁に上告しましたが、2022年6月、最高裁は審理すら行わず「上告棄却」して原告敗訴が確定してしまいました。
この不当判決を理由に、今年1月29日群馬県当局は、多くの市民の反対の声を押し切り、「追悼碑撤去」の代執行(追悼碑の破壊)を強行してしまいました。
こうした中で迎えた20回目の追悼集会では、ステージ上に追悼碑をデザインした美術家の白川昌生さんの制作した追悼碑のレプリカが、追悼碑から外された碑文のプレートとともに展示され、約200人の参加者が献花を行いました。
守る会の共同代表の宮川邦雄さんは、「知事の暴挙で碑は撤去されたが、強制労働で命を落とした方々を追悼し、平和にむけて努力していくと誓う」と述べました。
また、制作者の白川さんは、追悼碑のレプリカについて「朝鮮人強制連行という出来事、事件を記録として残すことに意味があり、持ち運びできる追悼碑として布と段ボールでレプリカを作った」と、制作の意図を紹介しました。
このレプリカをめぐっては、2017年群馬県近代美術館で開催された「群馬の美術2017」において、開催直前になって、出品が取り消されたという事件も起きています。
追悼集会に先立ち、県立公園群馬の森の追悼碑跡地には関係する人々が集まり、アプリケーションでバーチャル空間に追悼碑を再現する試みが行われました。
アプリケーションを制作したのは情報科学芸術大学院大学の前橋明次教授で、担当したエンジニアとともに現地でタブレットのアプリを起動させると、画面に追悼碑が浮かび上がりました。
現在はアップルの端末用のみですが、今後アンドロイド用アプリも制作するとのことです。
この問題はTBSテレビの「報道特集」が粘り強く取材を続け、各地の「追悼碑」やかつての日本政府の悪事の記憶を伝える銘文が消されていく状況を報道してきました。
今回の「追悼碑の破壊とバーチャル空間に追悼碑を再現する試みについても、日下部キャスターが現地を訪れ関係者に取材し、先週6月2日日曜深夜放送の「ドキュメンタリー解放区」(TBS制作)で報道しています。
この番組はネット動画アプリ「TVer」(無料)で見逃し配信しているので、視聴が可能です。
あと1週間の期間限定です。
ぜひご覧ください。
2024/6/9
-K.H-