江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

2024孫たちの夏休み(3) ー2年ぶりに来日したフランスギャル①ー

2024-08-26 | 随想
フランスはヨーロッパで最も早くから移民を受け入れてきた国家である。
全人口の7%を占め、移民二世を含めると11%にもなるという。
孫娘はフランスで生まれたから移民ではないが、日本とフランス二つの国籍を持っている。

実は国籍というものは、ある意味で差別や排除の道具に使われるもので、これに言及するとそれだけで長くなるので省略するが、今回の来日には日本のパスポートを使用したようだ。(フランスのパスポートも保持しているが…。)

この彼女、生まれたばかりの頃は日本人であるママ(娘)と主に接していたので、言葉はまず日本語から覚えてきたようだ。
さらに、夏は毎年フランスを訪れていた私たち夫婦と共に暮らしていたので、日本語がみるみる上達していった。

言葉だけではなく、同時に感覚も私たちと似てくるようで、4歳ごろ初来日して1ヶ月余り日本で過ごすうちに、すっかり日本人になっていくのが分かるのだった。
このことに、彼女のフランスの祖父母は、あまり日本にいるとフランス語が忘れてしまうのではないか…と心配していたものだ。

たしかに、日本語の上達は顕著で6歳の時に日本の小学校へ半月ほど体験入学していた頃は、平仮名やカタカナの読み書きはもちろん易しい漢字も読み書きできるほどだった。

ところが、これが大きく変わっていったのは彼女がフランスの小学校へ入学してからだ。
先述したように移民が多いため、フランス国家の小学校教育は特にフランス語の習得に力を入れており、1年生から多くの時間をフランス語に費やしている。
それによって彼女も例にもれず、フランス語が達者になった。
しかし、それと反比例するように日本語力が低下していったのである…。


前置きが長くなったが、私が関心のあったのはこのフランスの「教育」がどれだけ子どもの成長に影響してくるのか…ということだ。
それが早くも6〜7歳から表れてくるのを感じた。

「その人らしさが開花すること、人権と自由が尊重されることを確かにすること」が教育の目的の一つになっているということからも分かるように、日本の管理教育とは一味違うものだ。

とにかく自己主張を大切にする教育は保育園から始められており、子どもどうしの争いでも意思に反した行為を受けたら、先ずはNONと言うことが教えられるのです。
日本のように保育士(教師)に指導されて、「ごめんね」「うんいいよ」といった柔らかい人間関係を築くことより、自分がNONと言える教育をされているというのだ。


そういう目で孫娘を見ていると、ほぼ全てが納得…という感じである。
例え客観的には彼女の主張には無理があっても、彼女は頑として自分の主張を貫き通すのだ。
実は、このことが引き起こす悲喜交々な事態がこの夏にたくさん見られたのである。





(つづく)



<すばる>

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