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智恵子抄の舞台-二本松・安達

2005年08月17日 | Weblog
あれが阿多多羅山、あの光るのが阿武隈川。
ここはあなたの生まれたふるさと…(後略)
(高村光太郎『智恵子抄-樹下の二人』)

二本松市の隣にある安達町はそんな智恵子抄の舞台。
高村(長沼)智恵子の生家があります。
智恵子の生家は造り酒屋で、当時の様子が再現されています。
その生家の裏山では「樹下の二人」の光景が拡がります。

この裏山は光太郎が、帰郷した智恵子を見舞って
訪れた際、散歩した地と言われています。

智恵子の生家から細い山道を登っていくと、
公園に出ますがまだ登ると、程なくして墓地に出ます。

ここの墓地の中、鞍掛岩という岩のあるあたり、
かつてはここに崖があったと言われていますが、
恐らく光太郎と智恵子はこの辺りに腰をおろしたのでしょう。

遠くになだらかで大きな稜線(安達太良山)が見え、
背後には、確かに阿武隈川が見下ろせます。
残念ながら白い点々(酒庫)を望むことは出来ません
(長沼家は智恵子の生きた時代に破産したため)
が家々が点々と望むことが出来ます。

私が最近ここを訪れたのは昨年の1月。
早朝、それも雪の中に訪れたため、とてもひっそりとしていました。
ゆったり足を伸ばして『智恵子抄』の本を読み返すと、
大きく様変わりをしているはずの丘であるのに、また感慨深いものです。
下手に観光地化していないこともいいのかも知れません。

写真はその丘の様子です。そこから見える空、景色は
是非とも自らの目で確かめてみて下さい。

智恵子抄には「あどけない話」のなかで
「智恵子のほんとの空」という文面があります。
この丘から見える安達太良山、その上に拡がる空が
その「ほんとの空」なのかも知れませんね。
確かに美しい空ですが、
ふるさとの、それもいつも望む象徴的な景色の上に拡がる広く青い空は、
それぞれの人の持つ「ほんとの空」なのかも知れないと感じました。
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